ウィトコフ米特使はロシアの戦略を受け入れている=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私は、ウィトコフ氏はロシア側の戦略を自分のために受け入れたと思っている。私は、その戦略は非常に危険だと思っている。なぜなら、彼は、意識的にか無意識的にか、ロシアのナラティブを拡散しているからだ。どのような場合であれ、それは役に立たない。私は、彼にウクライナ領について議論するマンデートがあるとは思わない」と発言した。
また同氏は、「私たちは今日、無条件停戦について協議しているのであって、領土については協議していない」と指摘した。
同氏はそして、「あなた方は私の姿勢や、私たちの『レッドライン』がどのようなものであるかを知っていよう。私たちは、一時的に占領されている私たちの領土、ウクライナの大地をロシア領と認めることは決してない」と強調した。
同氏は同時に、ウクライナはどのような停戦形式も支持する準備があると強調しつつ、しかしながら、平和ではなく攻勢に向けて準備しているロシアが、停戦に同意する可能性には疑問を呈した。
そして同氏は、「私たちは、ロシアには準備がないと思っている。なぜなら、彼らは複数の攻勢を行うことに関心があるからだ。彼らは、できるだけ多くの平方キロメートルを制圧したがっている。なぜなら、彼らは正にそのように私たちに向き合っているからであり、私たちを平方キロメートルで計算しており、そうすることで温度を高めたがっているからだ」と指摘した。
これに先立ち、米国のウィトコフ中東担当大統領特使は4月14日、11日のロシア独裁者プーチン氏との協議を「説得力のある」ものだったと形容した上で、合意への鍵となるのは「いわゆる5つの領土」をめぐるものだと発言していた。
また、ロイター通信は、関係者の発言をもとに、ウィトコフ氏がトランプ氏に「ウクライナでの停戦を最も早く達成する方法は、2022年にロシアが違法に併合しようとしたウクライナの東部4州の所有権をロシアに明け渡すという戦略を指示すること」だと主張したと報じていた。
さらに、ウィトコフ氏は3月、米国のブロガーであるタッカー・カールソンとのインタビュー時には、クリミアや「いわゆる4つの地域、ドンバスと…、ルハンシクとあと2つ」のことだと言及しながら、それらの地域は「ロシア語話者地域」であり、そこで「住民投票が行われて」「多数がロシア政権下に入ることを望んでいることを示した」とする、ロシア発の占領を正当化するナラティブを繰り返した上で、さらに「私は、それが紛争の鍵となる問題だと思う」などと発言していた。
ウクライナのティーヒー外務報道官は16日、ウクライナが国際的に認められた国境内での領土一体性に関する自らの立場を変えることは決していないと発言していた。
ティーヒー氏は、「ウクライナは一体であり、国際的に認められた国境内での統一国家である。このウクライナの立場は不変であり、決して変わることはない」とした上で、シビハ宇外相が、示している以下の3つの原則を伝えた。
・ウクライナはロシアにより奪取されたいかなる領土も「ロシア領」とは絶対に認めない。
・ウクライナは自らの防衛能力、自国軍ないし国際支援のいかなる制限についても絶対に同意しない。
・どのような第三国であれ、ウクライナがどの連合・同盟に加わるかについて拒否権を持たない。