ウクライナ政府、軍の大規模改革の始動を発表
12日、スヴィリデンコ首相、フェドロウ国防相、財務省がソーシャルメディア・アカウントで報告した。
スヴィリデンコ首相は、「明確な兵役期間、新しい契約、最前線及び後衛の軍人に対する新たな引き上げられた給与、リクルーティング改革だ。重要原則は、一人一人の軍人への尊重である。人々は、自分がどこで軍務に就き、どれだけの期間服役し、その後どうなるのかを知るべきである」と書き込んだ。
フェドロウ国防相は、フェイスブック・アカウントにて、同日政府によって承認されたパッケージは、軍務変革の第1段階を始動させるものだと伝えた。
フェドロウ氏はその際、第1段階には、とりわけ、分かりやすい条件と明確な軍務期間を備えた新しい契約制度の導入が含まれていると指摘した。
同氏によれば、歩兵・強襲契約の期間は、民間人の場合は14か月、現役軍人の場合は10か月、以前に軍務が解除された軍人の場合は6か月からに設定される。戦闘契約は、無人航空機及び無人地上車(地上ロボットシステム)の操縦士、砲兵、電子戦の専門家、その他の戦闘専門分野を対象に24か月で締結される。基本契約は、後方の職に就く可能性を伴うその他の軍務分野を対象に24か月となる。
それぞれの契約には、(契約終了後に)少なくとも6か月の保証された動員猶予期間が付与される。この猶予は、軍務期間及び戦闘に参加した時間に応じて加算される。例えば、歩兵・強襲契約の場合は、戦闘期間1か月に対して、3か月の猶予が「補償」されるという。
その点につきフェドロウ氏は、「例えば、10か月軍務に就き、そのうち4か月戦闘に参加した歩兵の場合、猶予期間は1年半となる。契約締結前及び全面侵攻前の軍務も計算され、全ての軍務経験に対して休息のための時間が想定されている。人は、契約を締結した上で、自分がどこでどれだけの期間軍務に就き、給与がいくらで、軍務後にどうなるのかを理解することになる」と説明した。
また同氏は、新しい契約は現役の軍人も民間人も締結できると補足した。すでに契約に基づいて軍務に就いている者も、新しい条件に移行できるという。
さらに、変革の第1段階では、歩兵を対象とした世界最高額の給与の導入が予定されており、月額平均約30万フリヴニャ(約107万円)、最大で46万フリヴニャ(約164万円)となる。
戦闘部隊の指揮官、副指揮官、本部長の給与額は2倍に増加する。戦闘手当を考慮すると、軍団長は月に約23万フリヴニャを受け取ることになる。
第1段階の枠組みにおけるその他の変更は以下の通り。
・軍人への負荷、陣地の滞在をリアルタイムで確認し、戦闘手当の公平な加算を確保するために、最前線への「ミッション・コントロール」の導入。
・後衛の軍人の最低賃金を3万フリヴニャ(約10万7000円)に引き上げ。
・余計な官僚的手続きなしに、軍人用アプリ「アルミヤ+」を通じて同一軍団内での自動移籍する制度を導入。ベータテストは一部の軍団で始められ、その後、このシステムが全ての防衛戦力内で運用されていく。
・無断離隊した軍人を、予備役大隊を経由せずに、最も効果的なトップ50以上の戦闘部隊に直接復帰させるための迅速手続きの開始。復帰は「アルミヤ+」を通じてオンラインで、またはオフラインで行うことができる。
・戦闘部隊を強化し、ウクライナ軍人の命を救うための、外国人のリクルーティング市場の開放。目標は、強襲兵及び歩兵のポストの30〜50%を外国人で満たすこと。
フェドロウ国防相は加えて、「もう1つの重要な課題がある。防衛戦力に最も長く在籍し、戦闘で最も多くの時間を過ごした人々への公平性だ。彼らのために、年末までに軍務からの漸次的な退役を開始する」と伝えた。
さらに同氏は、今回発表分は大規模な変革の第1段階にすぎないと強調し、第2段階は、リクルーティング及び動員プロセスの包括的な変革となると指摘した。
そして同氏は、「私たちは、分かりやすいルールと軍人への尊重に基づいた軍隊を構築している。人間の命は最大の価値だ。そして私たちの主な課題は、最前線の軍人の命を救うためにあらゆる可能なことを行うことだ。正にそのような軍隊こそが、戦争を終結させるための強い立場をウクライナに与えることができる」と書き込んだ。
その他同氏は、2022年以来初めて、ウクライナが戦場での主導権を徐々に奪い返しつつあると強調し、ロシアにとって前進の代償は常に上昇していると指摘した。同氏はその際、5月にウクライナ防衛戦力は、ロシア軍が制圧した以上の領土を奪還することに成功したし、中射程自爆型無人機の利用拡大により、ウクライナはすでにクリミアへの陸路回廊及び南部におけるロシア軍へのその他の決定的に重要な補給ルートに対する火力コントロールを得ていると伝えた。
同氏はそして、「これは国家、防衛戦力、ウクライナ社会の共同作業の結果である。私たちは、空を守り、地上で敵を阻止し、戦争の継続をロシアにとって経済的に不利益なものにするために、体系的に能力を増強している。これは、ロシアに和平を強制し、強い立場で戦争を終結させるための、国家にとって歴史的な瞬間だ。しかし、そのためには兵器やテクノロジーだけでは不十分である。新しい軍務制度が必要なのだ。人間への尊重、公平性、分かりやすいルールの上に構築されたシステムが必要だ」と強調した。
さらに、ウクライナ財務省は、フェイスブック・アカウントにて、今回発表された新しい契約制度への資金拠出は、国防省の独自財源及び財務省の予備資金の配分方向を優先化することによって行われると説明した。
また同省は、改革の枠組みの中で、官製アプリ「アルミヤ+」を通じた同一軍団内での自動移籍メカニズムの運用が始まると伝えた。同省はさらに、無断離隊をした軍人が復帰するための新しい可能性の「窓」が開かれるとし、これは限られた期間のみ有効となると指摘した。
同省もまた、ウクライナ政府は戦闘部隊を強化し、ウクライナ軍人の命を救うために、外国人のリクルーティング市場を開始すると伝え、目標は、突撃兵及び歩兵のポストの30〜50%を外国人で満たすことだと説明した
そして同省は、防衛戦力の戦闘ポストで長期間を過ごした軍人の軍務からの漸次的な退役の課題については、別途検討されるとしている。