
ドイツ新連立内閣、ウクライナのNATO加盟展望を支持へ
ウクルインフォルムが入手したキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」と社会民主党(SPD)の連立合意文書(ロードマップ)に書かれている。
合意文には、ドイツはウクライナに対して包括的支援を提供していくとし、それは「ウクライナが侵略国ロシアから効果的に自衛でき、交渉で自信を持てるようにするため」だとし、同国への支援は増やしていくと書かれている。
さらに両党は、「協力で民主的な主権国家で、自らの欧州大西洋展望の未来(編集注:北大西洋条約機構(NATO)加盟展望の意)を定めるウクライナは、私たち自身の安全保障にとって中心的な意味を持つ。そのため、私たちは、パートナーと一緒にウクライナへの軍事的、市民的、政治的支援を著しく強化し、信頼のある継続を行っていく」と表明した。
また、次期政府は、ウクライナが力の立場から対等に行動できる、公正かつ永続的な平和に関する共同戦略を作るために、パートナーたちと緊密に協力していくという。その際、それには主権あるウクライナの「物質的・政治的安全の確保」も含まれると書かれている。
両党は加えて、「私たちは、ワシントンNATO首脳会議で確認された、ウクライナのNATO加盟展望を支持している。私たちは、ウクライナに対する侵略犯罪のしかるべき捜査と処罰のための特別法廷の設置を支持する」と表明した。
その他、ドイツはウクライナの復興に参加することにコミットしていると表明されている。
合意にはさらに、次期政府は、パートナーとの協調のもとで、ウクライナへの財政、経済、軍事支援の提供のためのロシアの凍結資産の利用手段を模索していくと書かれている。
同時に、合意には、今後ウクライナに派遣されることが協議されている欧州部隊へのドイツのあり得る参加については言及されていない。また、ウクライナへの長射程兵器の供与についても書かれていない。
なお、SDPのクリングバイルクリングバイル党首は、同合意発表後すぐに、将来、連立内閣にて、ウクライナ支援に関する対立が生じないことへの期待を表明した。
これに先立ち、9日、CDU/CSUとSPDが連立協議で合意していた。首相は、メルツCDU党首となる。組閣は、5月上旬の見通し。