ロシアの軍事ブロガー、同国の防空システムの運用不備で政権を批判=戦争研究所
戦争研究所(ISW)が7月7日付報告書で指摘した。
ISWは、ウクライナによる一連の中・長射程攻撃の成功により、ロシアの超国家主義者たちが、極めて重要なインフラや民間企業への保護を提供できていないとしてロシア政権を非難せざるを得ない状況に追い込まれていると指摘している。
報告書によれば、ある著名なロシアの軍事ブロガーは7月7日、ロシア国防省に対し、無人機から防衛するための単一の市民防衛本部を創設するよう呼びかけたという。この人物によると、軍、国家親衛隊、民間企業がばらばらに行動しており、領空の防衛に対応する単一の機関が存在しないため、ロシアの防空体制は混乱状態にあるという。
クレムリンに近い別の軍事ブロガーは、ウクライナによる攻撃に対抗するための十分な資源を持たない企業や民間組織に防空の責任を転嫁しているとして政権を批判。ロシアの評論家たちもまた、省庁間の調整強化や、単一の防空体制の構築を呼びかけているという。
別のロシアの軍事ブロガーは、ウクライナによる長距離攻撃から防御するための既存の防空手段が不足しているため、ロシアの広大な領土がますます弱点へと変わりつつあると指摘したという。同人物は、これにより「現在、ロシアに後衛は存在しない」と形容している。
ISWは、ロシアの軍事ブロガーたちがすでに長期間にわたり、ウクライナによる攻撃成功の原因を、ロシア側の防空の単一の管理システムの欠如や、ロシア中央政府と地方政権の行動の不一致と結び付けていることを指摘している。
さらにISWは、ロシアには同国の西部や深部にある極めて重要な施設や企業を全て同時に防護するための通常防空手段が不足していると言及している。
報告書には、「ISWは、ロシアが後方の防空の傘におけるギャップを排除することを拒否、あるいは排除できていないことが、モスクワが直面している現在の問題をもたらしたとの評価を継続している。これには、大都市へのウクライナによる繰り返しの攻撃や、ロシア国内及び占領されているウクライナ領土における大規模なガソリン不足などが含まれる」と書かれている。
ISWは、ロシアが前線における部隊の防衛を弱めることなく、後衛の防空を迅速に強化することは困難であるとし、そのため、ウクライナは今後も長距離攻撃キャンペーンを継続、あるいは拡大することさえできる可能性があると指摘している。