トランプ米大統領、欧州がホルムズ海峡封鎖解除を支援しなければウクライナへの武器供与を停止することを示唆=報道
フィナンシャルタイムズが議論の展開に詳しい関係者の話として報じた。
3月、トランプ大統領は、米国及びイスラエルによる攻撃開始後にイランが事実上閉鎖したホルムズ海峡の開放を海軍力で支援するよう、NATO加盟国に要求した。しかし、欧州各国からは、紛争が続いている間は不可能であるとの回答や、一部からは「それは私たちの戦争ではない」との指摘もあり、拒否されていた。
3人の関係者によれば、トランプ氏は対抗措置として、欧州諸国が資金を拠出しているウクライナ向け米国兵器購入のためのNATOのイニシアティブである「PURL(「ウクライナのための優先的装備品ニーズリスト」)」への兵器供給を停止すると脅した。その結果、ルッテNATO事務総長の強い求めにより、フランス、ドイツ、英国を含む主要加盟国グループは、3月19日に急遽共同声明を発表。声明には「私たちはホルムズ海峡の安全な通過を確保するための関連の努力に関与する準備があることを表明する」と記された。交渉を知る関係者の1人は、「ルッテ氏こそが共同声明を主張した人物だ。なぜならトランプ氏がPURLからの離脱、及びウクライナ支援自体で脅したからだ。声明は迅速に作成され、即座に全員の署名を求める時間がなかったため、他の国々は後から加わった」と述べた。
2人の関係者によれば、声明発表の2日前、ルッテ事務総長はトランプ大統領及びルビオ米国務長官と何度も電話会談を行ったという。
別の当局者は、フランス、ドイツ、英国の代表者との電話会談の中で、ルッテ事務総長が、欧州側がホルムズ海峡の防衛支援を拒否したことに対し、トランプ氏が「かなり激怒」していたと説明したことを明かした。
英国当局者は、英国及び米国が3月19日までにホルムズ海峡の安全確保の選択肢について「軍事レベル」で協議していたと述べたが、NATO諸国が行動を活性化させなければ米国がウクライナ支援を停止すると脅した事実については否定しなかった。
米国のケリー・ホワイトハウス副報道官は、「トランプ大統領は、NATO及び他の同盟国に対する失望を明確に表明しており、大統領が強調したように、『米国はこれを覚えておくだろう』」と述べた。
トランプ氏は、欧州の同盟国が対イラン戦争において米国の支援をより行わないことへの失望を繰り返し表明する一方で、ウクライナ紛争を欧州の問題として提示している。
米国及びイスラエルによる対イラン作戦は、防空システム「パトリオット」で使用される迎撃用ミサイル「PAC3」の世界的な獲得競争を激化させた。これらはペルシャ湾岸諸国がイランの攻撃から身を守るために使用しているが、ウクライナがロシアのミサイルから防衛する能力にとっても必要不可欠となっている。
3月27日、ルビオ米国務長官は、中東での戦争はPURLを通じたウクライナへの米国製兵器の供給には影響していないと述べ、「今のところ、何も転用されていない」と補足した。
しかし、同時にルビオ氏は、将来的に米国が対イラン戦で消費した自国の在庫を補充するために、ウクライナ向けの兵器を転用しようと試みる可能性については排除しなかった。ルビオ氏は、「もし米国にとって何かが必要で、それが米国のものであるならば、私たちは何よりもまず米国の防衛のためにそれを保持するだろう」と述べた。
写真:ホワイトハウス