欧州委員会、ウクライナとモルドバとのEU加盟交渉開始を勧告 ゼレンシキー大統領も歓迎
フォンデアライエン欧州委員会委員長が同委員会の年次報告発表記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「マイダン後の10年間、同国はロシアの侵略戦争によって引き起こされた甚大な困難と悲劇に直面し続けている。しかし、ウクライナ国民たちは、彼らにとって存亡のかかっている戦争を戦っている間ですら、自らの国を改革している。憲法裁判分野と高等司法評議会選考における基本的進展は達成された。ウクライナは、市民生活へのオリガルヒの影響力を制限することができ、新しいメディア法を採択し、少数民族問題で進展を達成することができた。これを踏まえて、私たちは、欧州理事会に対して、ウクライナとの交渉を開始することを勧告した」と強調した。
同氏はまた、欧州委員会は履行を完了すべき改革の継続におけるウクライナの努力を歓迎していると指摘した。その点で、欧州委員会は、欧州理事会に対して、交渉開始の勧告とともに、そのような交渉のために、全ての必要な改革をウクライナが履行するという枠組み条件を作ることも勧告した。その進展についての報告書は、2024年3月に公開されるという。
Ukrainians are deeply reforming their country and preparing for accession,
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) November 8, 2023
even as they are fighting an existential war.
Today the Commission recommends that the Council opens accession negotiations with Ukraine. pic.twitter.com/XNuyZigoZu
欧州委員会はまた、ボスニア・ヘルツェゴビナとも一定の条件下で加盟交渉を始めることを勧告した他、ジョージアに加盟候補国地位を付与することを勧告した。
同日、ウクライナのゼレンシキー大統領は、フェイスブック・アカウントにて、今回の欧州委員会の決定を歓迎するメッセージを発表した。
ゼレンシキー氏は、「今日、ウクライナと欧州全体の歴史が正しい一歩を歩んだ。欧州委員会がウクライナの加盟交渉を開始することを勧告したのだ。完全に肯定的なことだ。あらゆる困難がありながらも、私たちは前進している。私たちは、12月の欧州理事会から政治的決定を期待している」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナ国民は常に共通の欧州家族の一部であったとし、ウクライナはEUの中にあるべきだと強調した。また同氏は、ウクライナ国民は、欧州の価値を守り、全面戦争の際にも約束を守り、国家機構を発展させているという点からも、EU加盟に値するだけのことをしていると指摘した。そして、「全ての必要な決定を採択する」と強調した。