米国、露のウクライナ侵攻は「いつでも起こり得る」 他方でウクライナは「侵攻可能性は低度」と評価

米国、露のウクライナ侵攻は「いつでも起こり得る」 他方でウクライナは「侵攻可能性は低度」と評価

ウクルインフォルム
バイデン米政権は引き続き、ロシアがウクライナへの更なる侵攻をいつでも行う可能性があると評価している。これに対して、ウクライナ政権は、ロシアからの著しいエスカレーションの蓋然性を引き続き「低度」と評価している。

米政権は、サリヴァン米大統領国家安全保障問題担当補佐官が米abc局へのインタビュー時に発言した

サリヴァン氏は、「私たちは、ウクライナに対する侵攻の命令を出すかもしれないという非常にはっきりした蓋然性が存在すると思っている。それは、複数の異なる形態を取る可能性があり、それはもしかしたら明日あるいは数週間以内にも生じるかもしれない」と指摘した。

同氏は、ロシア軍はウクライナ国境に展開し続けており、いつでも侵攻に移行可能な準備ができていると説明し、「そのため、私たちは、同盟国をまとめ、ウクライナ国民を物質面で支え、ポーランド、ルーマニア、バルト諸国をはじめとする東方の同盟国を強化するべく、著しい努力を行っている」と発言した。

同時に同氏は、ロシアに対しては、共通の懸念への返答について外交的道を進み続ける準備があるという明確なシグナルを送っていると指摘した。その上で、同氏は、米国はあらゆる情勢展開に対応する準備があると発言した。

他方で、ウクライナのレズニコウ国防相は、ロシアからの著しいエスカレーションが生じる蓋然性は低いと指摘した。6日、ウクライナ国防省広報室が伝えた

レズニコウ氏は、「私たちは、あらゆる完全な情報と現実的な情勢評価を有している。現在、多くの異なる仮定的評価と予想が広まっているかもしれない。特にそれは外国の報道機関においてだ。いくつかのメディアはすでにロシアの侵攻についてさえ報じた(編集注:ブルームバーグ社の誤報)が、侵攻は、実際には、8年前にすでに生じているものである。私は、これまでに何度も述べてきたことを、もう一度強調したい。軍の義務は、最悪のものを含む、全てのあり得るシナリオを考慮して、脅威を中和すべくあらゆる然るべき行動をとることだ。それが現在行われている。今日の時点で、著しいエスカレーションの蓋然性は、引き続き低度と評価されている」と発言した。

同氏は、現時点で、確認される全ての出来事は、予期されているものであり、以前に発表された予想の範囲内のことだと指摘した。

さらに同氏は、「数日後に、ロシア・ベラルーシ演習の活発な局面が始まり、2月20日まで続く。同時に、ロシア連邦南部軍管区の部隊の一部の演習が予定されている。木曜日の記者会見で述べたように、現時点では、ベラルーシにロシア連邦東部・中部軍管区の部隊が到着しており、それは私たちが過去数週間観察してきたものだ。いくつかの部隊は、まだ出発するところである。私たちは、類似の状況のコントロールのためにあらゆる不可欠なことを行っている。ウクライナ軍総司令官ヴァレリー・ザルジュニー中将は、これまでに、昨年10月から計画、実践的訓練のレベルで、侵略者撃退に関する不可欠な方策が取られていると強調してきた。金曜日、内務省参加機関の大型訓練が行われ、私も招待された。つまり、私たちは、予定通り行動しており、どのような挑発も排除することないよう、調整を行っている」と伝えた。

同氏はまた、パートナー国から、前例のない軍事支援が届いており、それらがウクライナの抵抗能力を決定的に高めていると発言した。同氏は、「防衛用兵器の訓練がすでに活発に行われている。それは非常に効果的な抑止手段だ。同時に、ウクライナ軍領域防衛部隊の展開も進んでいる。国民とともに多くの準備方策が行われている」と指摘した。

なお、1月28日、ウクライナのゼレンシキー大統領は、現在最も大きなリスクは「国の内側からの不安定化」だとし、ウクライナ国内のコントロールが失われた時こそ、ロシアからのエスカレーションをもたらし得るとし、「パニックの不在」があり得る侵攻への抵抗にとって重要だと発言していた

写真:Maxar Technologies


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