プーチン氏に欧州の安全保障問題に関する拒否権はない=EU上級代表
カラスEU外務・安全保障政策担当上級代表がワルシャワでのバルト海諸国評議会の会合後に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
カラス氏は、「どのような(編集注:戦争終結に関する)合意も、履行されるためにはEUの参加を必要とする。安全の保証、制裁、復興、ウクライナのEU加盟の問題、これら全てがEU抜きでは不可能なのだ」と発言した。
同時に同氏は、欧州は「断固としてウクライナの側にいる」ことから、和平交渉において仲介者として行動することはないと述べた。
同氏はさらに、「戦争終結に関するいかなる合意も、ロシアによる再度の武力行使、つまり再武装と新たな侵攻のための一時停止を利用することを不可能なものにしなければならない」と強調し、そのために今年ロシアに対する主要な要求を記載した文書を提出したと述べた。同氏によれば、その要求文書はEU各国の外相たちが協議したものであり、交渉の基礎となるべきものだという。
また同氏は、EUによるロシアに対する要求には、被占領下ウクライナ領に対するロシアの主張の不承認、ロシアが犯した戦争犯罪、国際法の違反、破壊に対する責任の追及が含まれると説明した。同時に同氏は、ウクライナの主権と独立、自らの同盟を選択する権利が確保されなければならず、さらにウクライナ軍の規模に対する制限はいかなるものも受け入れられず、ウクライナから強制連行された児童も帰還させねばならないと訴えた。また同氏は、ロシアは欧州における破壊活動を停止しなければならないと指摘した。
そして同氏は、「原則的なことを強調したい。私たちにはすでに欧州の安全保障構造は存在している。NATOとEUはそれぞれ役割を果たしている。私たちはウクライナがその構造に統合されることを保証しなければならない」と発言し、ロシアがその構造の基礎となる条約を絶えず違反していることが問題だと補足した。
その他同氏は、「NATOは2021年に時点でロシアに対する脅威ではなかったし、現在も脅威ではない。プーチン氏に欧州の安全保障に関する拒否権はない」と説明した。
米国のトランプ大統領が、ロシアとの間で、ウクライナに限らず、欧州全般に関係する合意が締結され得ると発言したことについて、カラス氏は、「いかなる合意も実行されねばらなず、その履行のためには欧州の参加が必要だ」と指摘した上で、「私たちは、自らが当事者ではない合意を履行することはない」と強調した。また、EUの制裁やロシアの凍結資産に関連する問題は、EUのみが決定できると指摘した。
同氏は加えて、「合意を試みることはできる。そのような試みを私たちはすでに目にした。アンカレジでの合意(編集注:アラスカでの米露首脳会談でのやりとりのこと)を思い出してほしい。あれは機能しなかったのだ」と喚起し、そのような協議には欧州が参加していなければならないと説明した。
和平交渉に関して、同氏は、「ウクライナとロシアが交渉のテーブルに着き、合意することが確かに重要だ」としつつ、同時にそのプロセスが成功するには交渉のテーブルにおける条件がより平等でなければならないと指摘した。
そして同氏は、「だからこそ、私たちはロシア側から期待されるべき歩み寄りに関する文書を準備した。これまで全ての圧力がウクライナに対して課されてきたが、それは誤りである。なぜなら侵略国がいて、被害者がいるからだ。戦争を停止させるためには、侵略国に対して圧力をかさねばならない。加えて、欧州における安全を確保するためには、私たちはロシアが再び攻撃しないことを保証しなければならない」と強調した。