領土問題に関する住民投票の話は現時点ではない=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領が15日のベルリンでの会合後の記者団とのやりとりの際、記者からの質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「いずれにせよ、私たちは住民投票については今のところ話していない。複雑な文書、複雑な決定だ。それでなくても戦争によってすでにウクライナ人の生活は厳しくなっている中、それをあれやこれやの決定で(さらに)複雑にすることのないよう、あらゆることを試みている」と発言した。
同時に同氏は、和平交渉にて領土問題については、今のところ妥協が見出せてないと指摘した。
その際同氏は、「ロシアの立場については、今のところ変わっていない。彼らが私たちのドンバスを欲していることはご存知のとおりだ。私たちの立場は、実際的で、現実的で、公正であり、私たちはその立場に立脚している。そして私たちは、私たちのドンバスを引き渡したくない。米国は妥協点を見つけたがっており、『自由経済圏』を提案している。そして私は改めて強調する。『自由経済圏』は、ロシアの管理下にあることを意味しない。それがドンバスのいかなる形式においても私にとって重要な特徴だ。私たちは、一時的被占領下にあるその地域を、法的にも実質的にもロシア領として認めることはしない。それは間違いない」と強調した。
同氏は同時に、それらの問題に関する作業は継続されていくと述べ、「それが重要な問題の1つであることは、ご存じのとおりだ。その問題において、私たちには今のところコンセンサスはない」と補足した。
これに先立ち、14、15日、ウクライナと米国の代表団がベルリンにて和平計画に関する交渉を行っていた。
また、15日、ベルリンにて、ゼレンシキー大統領と欧州首脳と米国代表団のウィトコフ米大統領特使とクシュナー氏が協議を行っていた。
さらに欧州諸国の首脳と欧州連合(EU)幹部は15日、ウクライナ、米国、欧州諸国が、ウクライナのおける平和達成のパラメーターについて合意したとする共同声明を発出していた。