欧州諸国とEU幹部がウクライナの平和達成につき共同声明発出
メルツ独首相、ストゥブ・フィンランド大統領、マクロン仏大統領、スターマー英首相、フレデリクセン・デンマーク首相、メローニ伊首相、ストーレ・ノルウェー首相、トゥスク・ポーランド首相、スホーフ蘭首相、クリステション・スウェーデン首相、フォンデアライエン欧州委員会委員長、コスタ欧州理事会議長が共同声明にて表明した。
首脳たちは、ウクライナの安全保障、主権、繁栄の確保が、欧州大西洋全体の安全保障の重要な構成要素であることに同意した。首脳たちはまた、ウクライナと同国国民は、将来のロシアの侵略の恐怖から解放された、独立し、主権ある将来の繁栄を得るに値すると表明した。さらに首脳たちは、米国と欧州の首脳たちが、戦争終結協定の文脈で、ウクライナに信頼できる安全の保証を提供し、経済復興を支援するための共同作業への支持を表明したと伝えた。それには以下のコミットメントが含まれるとある。
ウクライナに対し、紛争の抑止とウクライナ領土の防衛を確保するために、平時において恒久的な兵員数を80万人とする必要のあるウクライナ軍の構築に、継続的かつ本質的な支援を提供すること。
米国の支援を受け、有志連合の枠組みの中で、希望する国々の貢献からなる、欧州主導によるウクライナのための多国籍軍。その部隊は、ウクライナ軍の再建、ウクライナの航空空間の安全、及びより安全な海域の維持に貢献する。それらはとりわけ、ウクライナ国内での作戦を通じて行われていく。
国際的な参加を得た米国主導による停戦の監視・検証メカニズム。これは、将来の潜在的攻撃に関する早期警報を提供し、停戦違反の可能性を追跡し、対応するもの。また、すべての当事者のために使用できる相互的な緊張緩和措置を策定するための紛争縮小メカニズムも含む。
将来の武力攻撃が発生した場合に平和と安全を回復するための措置を講じるという、国内手続きに適合した法的義務。これらの措置には、軍隊の配備、情報及び兵站支援、並びに経済的及び外交的措置が含まれる可能性がある。
経済的及び物的復興のための相当な資源の提供、互恵的な貿易協定、及びロシアがウクライナに与えた損害に対する補償の必要性を考慮に入れることを含む、ウクライナの将来の繁栄への投資。この文脈において、欧州連合(EU)内のロシアの国家資産は凍結された。
欧州首脳たちはまた、合意されたいかなる解決策も、欧州大西洋地域の長期的な安全と統一、及び信頼できる抑止を確保する上でのNATOの役割を保証しなければならないと明言した。首脳たちはさらに、EU及びNATOに関連する構成要素は、それぞれのEU及びNATO加盟国の間で議論されると指摘した。
さらに声明には、ロシアは今、トランプ米大統領の和平案に同意し、停戦に同意することで軍事行動停止に関する積極的なコミットメントを担うことにより、強固な平和の達成に向けて取り組む準備を示さなければならないと書かれている。
首脳たちは、ロシアに真剣に交渉させるために、ロシアへの圧力をさらに強化することで合意したと伝えた。
その他首脳たちは、強固な平和のための協定を共同で達成し、批准するために、今後数日・数週間で迅速なさらなる進展に向けて取り組むことにコミットしたという。首脳たちはその際、ロシアの不法な侵攻に対する戦い、及び公正かつ永続的な平和の達成における、ウクライナのゼレンシキー大統領と同国国民への断固たる支持を再確認した。
首脳たちは、公正かつ永続的な平和をウクライナで確保するためのトランプ米大統領の努力における大きな進展の達成を歓迎した。首脳たちはまた、ウクライナのゼレンシキー大統領のチーム、トランプ氏のチーム、及び欧州チームの間で、過去数日・数週間における緊密な協力があったことも歓迎した。
加えて首脳たちは、ウクライナの主権と欧州の安全を保護していく強固な平和を達成するために、トランプ大統領とゼレンシキー大統領と協力することで一致した。さらに首脳たちは、米国、ウクライナ、欧州の間の強い収束を高く評価した。
なお、今後他の国々もこの声明に参加することができるという。
写真:ゼレンシキー宇大統領(X)