ウクライナ南部被占領下クリミアの遺跡、ユネスコの危機遺産リストに入る
ユネスコ世界遺産委員会が関連決定を採択した。ウクルインフォルムがユネスコ広報室の発表を元に伝える。
ロシアにより一時的被占領下にあるウクライナ領クリミアに位置する「古代都市ケルソネス・タウリケ及びその農業領域」は、世界遺産リストへの記載の根拠となった顕著な普遍的価値を伝える構成要素に対する深刻な脅威を考慮して、今回の決定が採択されたという。
ユネスコ及びUNITAR/UNOSATの衛星分析により、新たな建設及び大規模な考古学的発掘調査のせいで、同遺跡の領域に重大な損害が発見されたという。発表ではまた、ウクライナが同施設にアクセスし、その保護、保存、管理に関する自らの義務を履行できないことから、状況が更に複雑化しており、同施設を長期的な脅威に晒していると指摘されている。
ユネスコは、同遺跡が、紀元前5世紀に黒海北岸にドーリア系ギリシャ人によって建設された都市の遺構、それに隣接する農耕地を含んでいることを喚起し、それは、ギリシャ、ローマ、ビザンツの共同体間の相互の結びつき、約2000年間にわたり黒海の多様な交易路を結びつけていた貿易中心地の活動に関する類稀な証拠だと指摘している。
ウクライナのベレジュナ人道政策担当副首相兼文化相は、フェイスブック・アカウントにて、「関連の決定は釜山で開催された第48回ユネスコ世界遺産委員会会合中に採択された」と報告した。
ベレジュナ氏は、「これは、クリミアのロシアによる一時的占領、違法な発掘、建設、考古学的文脈の破壊、文化財の搬出による遺跡への脅威を公式に確認するもので、極めて重要な国際的決定だ」と指摘した。
さらに同氏は、ユネスコの委員会は、一時的被占領下のクリミアにおける遺跡に更なる損害を与え得る行為を停止すること、文化財の不法取引との闘いを強化することを要請したと伝えた。
また委員会は、一時的被占領下のクリミアにおけるその他のウクライナの遺跡、すなわちバフチサライのハン宮殿、クリミア・ゴートの洞窟都市、クリミア天体物理観測所、スダク要塞の保護も呼びかけた。議論の際、ポーランド、チェコ、スイスがウクライナを公然と支援したという。
なお、ユネスコは22日には、ロシアの侵略の直接的な脅威を認めた上で、ウクライナにおける3つの遺産「聖ソフィア大聖堂と関連修道院群及びキーウ・ペチェルシク大修道院」、「リヴィウ歴史地区」、「オデーサ歴史地区」を「危機にさらされている世界遺産」リストにとどめる決定を下していた。