バイデン米大統領、ゼレンシキー大統領を7月の米国訪問に招待
ジェイク・サリヴァン米国家安全保障問題担当大統領補佐官がホワイトハウスでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
サリヴァン氏は、「私は、バイデン大統領がゼレンシキー・ウクライナ大統領と電話で話した大統領執務室からここへ出てきたところだ」と述べ、今回の電話会談は、バイデン氏の欧州訪問とジュネーブでのプーチン露大統領との会談を前に、ウクライナの首脳と対話するものとして予定されたものだと伝えた。
同氏は、「彼らは、米ウクライナ関係におけるほぼ全ての問題を協議することができた。加えて、バイデン大統領は、ゼレンシキー大統領に対して、自身がウクライナの主権と領土一体性、その願望を守るために堅固に立っていることを伝えることができた」と強調した。
さらにサリヴァン氏は、バイデン氏からゼレンシキー氏に対して「彼(バイデン氏)が欧州から戻ってから、彼(ゼレンシキー氏)をワシントンのホワイトハウスにて、今夏、歓迎する機会を待ち望んでいる」と伝えたと報告した。
これに対して、ゼレンシキー大統領は、ツイッター・アカウントにて、バイデン米大統領に今回の電話会談につき謝意を述べた後、会談を期待していると書き込んだ。
ゼレンシキー大統領は、「バイデン大統領が電話会談時に7月にホワイトハウスを訪れるよう招待してくれたことを感謝している。私は、ウクライナと米国の戦略的協力を拡大する手段を協議すべく、その会談に期待している」と書き込んだ。
Thank you @POTUS @JoeBiden for inviting me to visit the @WhiteHouse in July during our phone conversation. I look forward to this meeting to discuss ways to expand strategic cooperation between Ukraine and #USA
— Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) June 7, 2021
また、ウクライナ大統領府広報室は、ウェブサイト上に、今回の電話会談について、イェルマーク大統領府長官の報告を掲載した。
ゼレンシキー大統領がバイデン大統領によるホワイトハウス訪問の招待を受けたと書かれている。
同発表によれば、バイデン米大統領は、ウクライナの主権と領土一体性への揺らがぬ支持を確認し、またウクライナの国内改革実施におけるゼレンシキー大統領の指導力を指摘した。
バイデン大統領はまた、ウクライナの欧州大西洋統合への完全な支持とウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟行動計画(MAP)を獲得することの重要性を強調した。バイデン氏はさらに、NATOで戦略的問題が協議される際や予定されているハイレベル行事の際にはウクライナの立場が必ず考慮されていくことを明言した。
両首脳は、重要なG7とNATOの首脳会談、バイデン氏と欧州連合(EU)首脳との会談とロシア大統領との会談を前に、ウクライナと米国の戦略的連携について意見交換を行った。
ゼレンシキー大統領は、バイデン大統領に対して、ドンバスとウクライナ国境沿いの治安情勢について報告した。ゼレンシキー氏は、一時的被占領地とウクライナ国境沿いには引き続きロシア軍と兵器の高いレベルでの集結が確認されていると強調した。
ゼレンシキー大統領は、「いわゆるロシア軍撤退なるものは、ただの真似事にすぎない」と強調した。
これに対して、バイデン大統領は、安全保障関係の重要な行事を前に、地域の安全保障リスクをウクライナ大統領と協議することの重要性を指摘した。
また、バイデン大統領は、ゼレンシキー大統領によるクリミア・プラットフォーム設置のイニシアティブを支持し、同プラットフォームには米国から高い政治レベルの人物が出席すると明言した。
両首脳はまた、エネルギー安全保障問題も協議した。バイデン大統領は、自身が独露間で建設されているガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に対する反対者であることを強調した。これに対して、ゼレンシキー大統領は、バイデン大統領に対して、ノルド・ストリーム2は経済プロジェクトではないことを強調し、同プロジェクトが深刻な脅威と安全保障上の挑戦を生み出していると指摘した。バイデン大統領は、ゼレンシキー大統領に対して、米国からの安全の保証を明言した。
その他両首脳は、ウクライナの重要改革の実施状況につき意見交換を行なった。ゼレンシキー大統領は、財閥所有大富豪(オリガルヒ)の国への影響力を低減するために予定している行動につき報告した。ゼレンシキー大統領は、ウクライナにて大型ビジネスが発展することには関心があるが、オリガルヒの政治や経済への介入は排除すべきだと強調した。
ゼレンシキー大当路湯は、米国がウクライナへコロナワクチン90万回分を提供する決定を下したことに謝意を伝え、「それにより多くのウクライナ国民の命が守られる。米国は、ウクライナとの戦略的パートナーシップへのコミットメントを改めて確認した」と指摘した。
なお、ゼレンシキー大統領とバイデン米大統領は、今年の4月2日にも電話会談を行っている。
※更新(22時20分):ウクライナ大統領府発表内容を追加しました。