ドイツとフランス、OSCEの無人機消失はロシアに責任があるとする共同声明を発表
1日、OSCE常任理事会において、両国が共同声明を発出した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
共同声明には、「SMMが集めた情報が示すのは、UAV墜落はロシア連邦と同国が支援する分離主義者に責任があるということである」と書かれており、そして、「今回のようなSMM要員や機器への攻撃に関わった人物に対しては、その責任を負わせなければならない」と強調されている。
ドイツとフランスは、過去数週間にわたり、SMMの長距離UAVが頻繁にロシア領からウクライナ領へ車列が国境を越えるような事例を記録していたこと、そして、今回通信を失う直前も、対空防衛システムを記録していたことを指摘した。
同声明には、今回のUAV消失事件はOSCEの全加盟国が採択したSMMマンデートに対する明白な侵害行為であるとし、「国際社会の目と耳の役割を果たしているSMM要員の作業に対し、前述のような妨害、脅迫、制限の事例が継続されており、それは許容できない最高点に達している」としている。
さらに、同共同声明には、ロシアはミンスク諸合意の署名国であるとともに、ノルマンディ・フォーマット参加国であり、SMM要員とその機器に、自由で、安全かつ障害のないアクセスを保障することにつき特別な責任を負っていることが強調されている。
また、SMM要員とその機器の安全は、OSCE加盟国にとって絶大な意味を持つと指摘されている。その上で、ドイツとフランスは、ミンスク諸合意に署名した関係者は、紛争地域における停戦と重火器撤収をSMM要員が効果的に監視・検証することを保障する義務を負っていることを喚起した。
これまでの報道によれば、30日、SMMは、27日に消失した長距離UAVに関する調査報告書を発表していた。同報告書には、「本件発生の最も可能性の大きい原因は、UAVを飛行ルートから逸らした衝撃であり、それが対ジャミング・システムと装置の電源を落とし、その結果、墜落に繋がった」としている。その上で、27、28日、SMMは、消失した長距離UAVの探索を短距離UAVを用いて実施。探索中、UAVが墜落したと考えられる地区の平野にて、タイヤの跡が多く確認されたとのこと。加えて、UAVの破片は一切見つけられなかったとしている。
また、31日、ウクライナ統一部隊作戦広報室は、このSMM報告書をもとに、UAV消失の原因の可能性として、ロシア軍の対空防衛システムの使用を指摘していた。