「私たちはウクライナ国民だ!」 被占領下ドンバス地方で配偶者を武装集団に「徴兵」されそうになった女性が主張

「私たちはウクライナ国民だ!」 被占領下ドンバス地方で配偶者を武装集団に「徴兵」されそうになった女性が主張

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ロシアにより2014年より占領されているマキーウカで、占領者が通りで男性市民の身分証明書を奪い、前線での戦闘に送り込むために「軍事委員会」へ連行しようとしたところ、配偶者の女性が抵抗し、男性の身分証明書を取り返した。その際女性は、「私たちはウクライナ国民だ!」と叫んでいた。

テレグラム・チャンネル「ドンバスの当直」に動画が投稿された。

動画では、「新ロシア」のロゴを見にまとったロシア武装集団「DPR」構成員たちが、男女を通りで止め、男性から身分証明書を奪った上で、車に乗って「軍事委員会」へと向かうことを提案している。

これに対して、女性が抵抗を始める。携帯電話を使って目の前の出来事を動画で記録しながら、女性は、マキーウカ市では戒厳令は発令されていないし、いわゆる武装集団「DPR」のトップの命令などには自分たちは関心がない、自分たちはマキーウカに居住登録のあるウクライナ国民であると発言している。

女性は、「私たちはウクライナ国民だ! あなたたちは自分たちの戦争でおかしくなったんだ。私は、もう弟も親戚も埋葬したのに!」と叫びながら、配偶者の身分証明書(ウクライナ国籍)の返還を要求している。

さらに女性は、身分証明書を奪った「DPR」構成員たちがどうして前線ではなく、市内にいるのかと尋ね、手首には金のブレスレットがあることも指摘している。

口論は数分にわたって行われ、その後男性が数回「軍事委員会」らしきところへ電話をした後、男性市民には召喚令状とともに身分証明書が返されている。

動画では、撮影日は6月28日だと説明されている。

この動画がソーシャルメディアで公開されると、人々がロシアのソーシャルメディア「VK」から動画に出てくる占領者のアカウントを発見したと報告した。その人物のページに掲載されている写真によれば、この人物には収監者特有のタトゥーがあると指摘され、さらにこの人物には強姦の前科があると報告されている。

なお、ニュースサイト「ドンバス・ニュース」は、目撃者情報をもとに、ドネツィク州のロシアに占領されている自治体にて、現在市民への襲撃が多発しており、その際男性が通りで拘束されて「DPR軍」へと連れ去られていると報じている。その際、「DPR」側は、人だかりで男性を見つけると、近づいてきて、その人物を囲み、身分証明書の提示を求める。身分証明書を渡すと、それをもとに連行されるのだという。

写真:ドンバス・ニュース
写真:ドンバス・ニュース

テレグラム・チャンネル「典型的なドネツィク」は、ドネツィク市の地元住民たちが、そのような連れ去り行為が市内の複数地区で起きていると伝えている。29日は、そのような襲撃が、市内中央バスターミナル、ショッピングモール「ゾロティエ・コリツォ」近く、ソキル公園、ショッピングモール「コンチネント」近くで確認されたという。


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