ロシアは数年にわたりクリミア住民に対して、対ウクライナ戦争へ向けた情報面の準備をしていた=市民団体報告

ロシアは数年にわたりクリミア住民に対して、対ウクライナ戦争へ向けた情報面の準備をしていた=市民団体報告

ウクルインフォルム
ウクライナの人権保護団体「ズミナ」は、ロシア政権が2月24日の対ウクライナ全面的侵攻に向けて、一時的被占領下ウクライナ南部クリミアの情報空間にて住民の間のウクライナに対する嫌悪を高めて、ロシア軍侵攻に向けた情報面の準備を行っていたとする報告を行った。

6日、人権保護団体「ズミナ」が「クリミアのオンライン報道メディアにおけるヘイトスピーチ」と題する報告を行った

執筆した調査員たちは、今回の調査は2022年初頭にはすでに終わっていたが、全面的侵攻が始まったことでプレゼンテーションが延期となっていたものだと指摘した。

調査に加わったクリミア人権保護グループのイリーナ・シェドヴァ氏は、「調査にて、私たちは、ロシア・メディアにおけるウクライナ人殲滅の呼びかけを多く確認した。2月24日から現在に至るまで、私たちの大地でロシア侵略軍が行ってきた蛮行を考えれば、その呼びかけは、戦争犯罪、人道に対する罪、ウクライナ民族に対するジェノサイドへの情報面での準備をするという目的を持っていたことになる」と指摘した。

執筆者たちは、クリミアについて報道をする11のロシア語オンラインメディアを調査したとし、その中には、「リア・クリミア」「KPクリミア」「真実のクリミア」「ロシアの春」などを含むと伝えた。調査期間は、2020年12月から2021年5月末までだったとのこと。

記事の検索の際には、ウクライナ人へのヘイトを示すキーワードとして知られる「バンデラ主義者」「小ロシア人」「豚語話者」「ウクライナファシスト」「ホフリ」「ウクロピヤ」「ホフロスタン」などの単語を用いたという。

そして、調査の結果、ヘイトスピーチの含まれる560の記事が見つかったとし、そこには規範を外れた語彙、直接的な攻撃的用語、非人間化表現(例えば「あいつらは人間ではない、家畜だ」)が見つかったという。また、暴力への呼びかけ、社会を「自分たち側/他者側」の二分割原則で分割する見方、軽視、他の集団・文化に対する見下しが見られたという。

さらに、調査対象となった11中10のサイトでは、分析した記事の大半に、特にウクライナ人とクリミア・タタール人に対するヘイトスピーチが見られたとし、さらに明白な反米レトリックも確認されたと伝えられた。

調査に参加した、心理言語学者のユリヤ・クリロヴァ=フレク氏は、「これらのメディアは、聴衆の認識に影響を及ぼすために、印象操作的で隠されたヘイトスピーチを使っている。それは、多くの欧州国家の法律で定められている法的責任を回避するために行われていることだ。報道記事の心理言語学的分析によって、心理言語学的な印象操作の存在を証明し、分析することが可能となった」と指摘した。

同氏は、ロシアメディアの記者たちはしばしば意図的に、人々の感情的で敏感な分野に影響を及ぼし、合理的な判断を妨害する手法を利用していると述べた。さらに、同氏は、そのようなメディアはしばしば状況を一方的に表現し、意図的に否定的な構図を作り出しているとも指摘した。

その他同氏は、調査対象のメディアは積極的に「ファシスト」「ナチスト」という用語を使っていたとし、さらには意図的に概念を変えている場合もあるとし、「ナショナリスト」と言うべきところで、音の近い言葉である「ナチスト」を意図的に使用する例を挙げた。

また、記事ではしばしばウクライナの国家主権やウクライナの民族アイデンティティを否定する表現が用いられていると指摘した。

クリロヴァ=フレク氏は、そのような表現は聴衆の意識に「ウクライナ人はロシア人を構成する民族集団の一つ」「ウクライナは人工的に作られた国家」「ウクライナ語は地方方言」といった考えを刻み込むことを目的としていると指摘した。さらに、「ウクライナ嫌い」現象も観察されているとし、それがロシア語コンテンツ読者にとって恐怖感を生み出す役割を担っていると指摘した。

調査員たちは、ロシアの全面的侵攻とウクライナで現在起きている悲劇的出来事は、ロシアのメディア影響力の効力を証明しており、同時に過去8年間ロシアの報道機関が拡散してきた嫌悪を戦場に運び込んでいると強調した。

ペチョンチク「ズミナ」代表は、2014年から2017年にかけて実施されたクリミアにおけるヘイトスピーチ・モニタリング調査では、クリミア情報空間におけるヘイトスピーチの主な対象となっていたのはウクライナ人とクリミア・タタール人であることを示していたと指摘した。とりわけ、確認されたヘイトスピーチのうち4分の3がウクライナ人を対象としたものだったという。

ペチョンチク氏は、「この嫌悪のスパイラルが何年間も巡り巡って、ウクライナに対する侵略戦争の新たな波をもたらしたのだ」との見方を示した。

ズミナの報告書(ウクライナ語)は、オンラインで公開されている


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