EUビザ免除から2年。ウクライナ人はより頻繁に欧州旅行をするようになったか

EUビザ免除から2年。ウクライナ人はより頻繁に欧州旅行をするようになったか

ウクルインフォルム
ウクライナ国民が欧州シェンゲン圏へ渡航するのにビザ(査証)が必要なくなってから2年が経過した。欧州旅行をするウクライナ人は約3割増えており、格安航空会社は新たな路線を次々に発表している。

2年前、私たちは、長く夢見ていた欧州への「ビザ免除」実現を祝い、移民局の旅券課の前にバイオメトリック・パスポート発行のために長蛇の列を作ったのだった。欧州連合(EU)ウクライナ代表部が、これについて最近、統計データを発表している。このデータによると、過去2年間で200万のウクライナ国民がEU各国・シェンゲン圏を訪問したとのことであり、3300万回の渡航が行われたらしい。また、国境警備庁のデータでは、これら渡航のうち、34%が航空機を利用、その他は陸上国境地点を通過しており、そのうちポーランド経由が35%、ハンガリーが12%、ルーマニアが12%、スロバキアが7%であったらしい。もちろん、この200万人のウクライナ人全てが欧州を初めて見ようと渡航したわけではないのだろう。しかしながら、査証免除プロセスが開始されて以降、プラハ、ウィーン、ベルリン、バルセロナで取られた友達、親戚、知り合いの写真がソーシャル・メディアにひんぱんに掲載されるのを私たちは見かけている。

そこでウクルインフォルムは、現実として欧州へのビザ免除により現在ウクライナ人の観光傾向がどのように変わったのかを調べてみることにした。

ウクライナ人が天性の旅人となっている

国境警備庁は、ビザ免除体制が発効してからの最初の1年(2017年6月11日~2018年6月10日)にEUへと渡航したウクライナ国民は、前年同期比で14%増加したと伝えている。しかし、これら渡航者の増加を(観光客以外の渡航ケースと)どのように区別できるのだろうか。観光発展センターのヴォロディーミル・ツァルク所長は、これについて、格安航空会社(LCC)やチャーター便での渡航をもとに大まかな分析が可能だと述べた。

ツァルク所長は、「例えば、2018年に、このような手段で旅行をする観光客が前年同期比で25~30%増加している。今年は、新たな路線が次々に開設されているので、更なる増加が見られるだろう。人々は、1年に数回旅行をするようになっており、ツアー会社のパッケージ・ツアーや、個人による格安航空会社での旅行など、様々な手段が採られている。しかし、200万人が全員観光客だと言うことはできない。この数字から、典型的な旅行者とは呼べないビジネス目的の渡航や親族との面会のための渡航を除くと、私は、実際の旅行者の数はこの数字の約3分の1となると思っている」と発言した。また、同所長は、「ウクライナの観光客はまだ完全には変わっていない。それはゆっくりとしたプロセスなのだ。トルコやエジプトへ行くウクライナ観光客の割合が、80%から50~60%に減ったときに、変化が現れたといえる(例えば、2017年にトルコを訪問したウクライナ国民は、100万人以上であった)。そして、この変化は国民の購買力や経済発展に影響を受けるものである。たとえ欧州へのビザが免除されようが、安い航空券が手に入ろうが、例えば、スカンジナビア諸国への渡航は、引き続き大半の人にとっては選択肢に入らないのである。これらの国のホテルへの宿泊代や食事代は、引き続き非常に高いのである」と指摘した。

観光雑誌「ウクライナの観光」のユーリー・サモイロウ編集長は、ウクライナからの観光客の流れにおいて、最大の変化は、「最後の瞬間に決める旅行(ラスト・ミニッツ・トリップ)」の可能性が生まれたことにあると説明する。サモイロウ編集長は、「旅行会社や観光客自身は、そのような可能性が利用できることに満足している。なぜなら、これまでビザを取得するにはどうしても数日かかっていたが、ビザ免除が始まったことによりウクライナ国民は、いつでも国境を越えてEUへ渡航できるようになったからである。ビザ免除の開始により、ウクライナの観光客は、自らを以前より自由な存在だと感じるようになっている。ビザ免除は、以前より、はるかに多くの案を選択できる可能性を生んだのである。それがビザ免除による主要な変化である」と強調した。

格安航空会社とビザ免除

観光業の専門家たちは、ウクライナ人にとってヨーロッパへのアクセスがしやすくなったのは、必ずしもビザ免除だけが理由ではなく、重要な役割を担っているのは「格安航空会社」のウクライナ市場への到来だという。多くの人にとって、夢の旅行の実現を掻き立てるのは、ビザ免除ではなく、航空券の価格なのである。ツァルカ所長は、「言うまでもなく、私たちはビザ免除の大きな影響を得ている。過去2年間で、EUの人気路線の数は30~40%増加している。例えば、バルセロナへのチャーター便は、ビザ免除が始まる前と比べて、2.5倍に増えている。同様のことが、ウィーン行きについても言える。しかし、チャーターにおける効果は、現時点で、実質的に頭打ちとなっている。しかしながら、格安航空会社の到来はまだ続いている。今年は、更なる新しい路線開設が期待されている」と発言した。

確かに、欧州へ向かう経済的な旅行をする観光客は、あらゆる街へ渡航できるようになりそうである。観光ポータル・サイト「休暇へ」の情報を見ると、今年、格安航空会社ライアンエアーが非常に積極的に新たな路線を発表している。ライアンエアーは、4月1日からは、(キーウに近い)ボリスピリ空港からマンチェスターへの路線を発表、5月2日からはダブリン行、10月からはドイツ路線を新たに4つ開設することを計画している(デュッセルドルフ、フランクフルト、カールスルーエ、ニュルベルグ)。また、ライアンエアーの子会社であるラウダモーション社は、2月1日から、ボリスピリからウィーンへの路線を開始、しかも週5回飛んでいる。更に、4月19日にはフランスのAigle Azur社がボリスピリからパリへの路線を開設した。

格安航空会社SkyUpエアライン社(キーウ空港)も、今年新たに路線を開設している。同社は、キーウから、ジョージア(バトゥミ)、スペイン(アリカンテ、パリマ・デ・マヨルカ、テネリフェ)、イタリア(ネアポリ、リミニ、カターニア)、ポルトガル(ファロ)、キプロス(ラルナカ)、モンテネグロ(ポドゴリツァ)、その他、ブルガリア、アルバニア、ギリシャ、チェコといった国への新路線が発表されている。更に、格安航空会社ウィズエア社も、ラトビア(リガ)、ドイツ(ブレーメン)、ポーランド(クラクフ)、デンマーク(ビルン)への路線を開始した。

国際的企業は、新しい路線を開設する前に、その需要を非常に丁寧に分析するものである。そこから考えると、どうも、今年もウクライナ観光客の欧州への渡航数は昨年と比べて減ることはなさそうである。さらには、移民局のデータでは、(ビザ免除が適用される)バイオメトリック・パスポートを取得したウクライナ国民は、1100万人を突破しているとのこと。これは、取得者の中の少なくとも一部は、もうすぐヨーロッパ旅行をし、今や大して遠くない、ウィーンかワルシャワで、コーヒーを飲もうと思っていることを意味するのではなかろうか…。

ユリヤ・ホルバン、キーウ


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