ゼレンシキー宇大統領、和平案につき「項目はすでに28ではなく、多くの正しいことが考慮された」
ゼレンシキー大統領が国民向け動画メッセージの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「本日、私たちの代表団は米国側と欧州のパートナーたちとの協議を終え、ジュネーヴから戻った。そして今、戦争を終わらせるために必要なステップのリストは、機能し得るものとなる可能性がある。現時点、ジュネーヴの後では、その項目は少なくなっており、すでに28ではなく、またその枠組みでは多くの正しいことが考慮されている」と語った。
また同氏は、最終的な文書を尊厳あるものにするために、まだ取り組むべきことがあると指摘した。同氏はその際、「そして、私たちは、世界の大半の人々が私たちを支援する準備があること、また米国側が建設的に臨んでいることを評価している」と述べた。
さらに同氏は、この計画における機微な事項は、自身がトランプ米大統領と直接協議する予定だと伝えた。
同氏はその他、「ウクライナが平和の障害となることは決してない。それが私たちの原則、共通の原則であり、何百万人ものウクライナ人が尊厳ある平和を期待しているし、そのような平和に値する。私たちはそのために全てのことを行うし、最大限に迅速に行動する準備がある」と強調した。
同氏は同時に、ロシアがウクライナに対する圧力を弱めることはないだろうと指摘し、「今後数週間、空襲警報に対してとても注意深く向き合うべきだ」と呼びかけた。その際同氏は、「私たち全てのパートナー、そして何よりも米国側にとって、彼らの情報機関も認識している脅威を考慮に入れることは公正であろう」と指摘した。
また同氏は、「そして、もし交渉が行われており、建設的な要素があり、私たちが本当に戦争を終わらせるのであれば、ウクライナや私たちの人々に対するミサイルや大規模攻撃はあってはならないのだ」と訴えた。
これに先立ち、米国の報道機関は、トランプ米政権がロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた新たな計画を策定する目的で、ロシア側と秘密裏に協議を行っていたと報じた。アクシオスの報道により、その「和平案」は28の項目で構成され、ウクライナにおける平和、安全の保証、欧州の安全保障、米国とロシア/米国とウクライナとの将来の関係という4つのカテゴリーに分かれていることが明らかになっていた。とりわけ、報道によると、ウクライナはドンバス地方の自国が支配する地域からの撤退や軍隊の縮小、兵器の大部分の放棄を求められる内容となっていた。この案は、ドンバスの残りの領土の引き渡しは、(その仕組みが明確に定義されていない)米国からウクライナ及び欧州への安全の保証と引き換えに行われることを想定していた。
米議会の議員たちは、ルビオ米国務長官との会話の中で、同長官が、米国の和平案はワシントンからの提案ではなく、ロシア側の「願望リスト」であると述べたと発言した。一方、その後ルビオ長官は、「和平提案は米国によって策定されたものだ」と強調し、これを否定していた。
ウクライナ及び米国は、23日のジュネーヴで行われた両国代表団の交渉の結果、平和合意に向けた共通の提案に関する作業を継続することで合意した。双方は、協議が非常に生産的であったと認めた。また双方は、将来のいかなる合意も、ウクライナの主権を完全に尊重し、持続可能かつ公正な平和を確保しなければならないことを確認している。さらに、協議の結果として、双方は、平和に関する枠組み文書を準備したと伝えている。