ハーグは正義の確立にとって理想的な場所=ゼレンシキー宇大統領、侵略犯罪を扱う特別法廷設立へ向け演説
ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー大統領は、議員たちに対し、「ロシアの行動を侵略犯罪と呼び、戦争の公正な終結を支持し、ウクライナ領土のロシアによる占領を合法化しようとするあらゆる試みを拒否するあなた方の明確な政治的立場が、欧州全体の政治的反応を形成するのを助けたのだ」と指摘した。
彼は、ウクライナ支持のためにPACEが採択したこれまでの約30の決議、そして「ロシアのウクライナへの攻撃は欧州全体への攻撃である」という明確な理解に対し、謝意を伝えた。
同氏はさらに、特別法廷設立に関する協定は、正義へ向かう長い道のりの始まりに過ぎないと指摘した。その際同氏は、ナチズムの恐怖の後に正義を確立したニュルンベルク裁判や、旧ユーゴスラビアでの犯罪を熱かった法廷との類似点を挙げた。
同氏は、「再び、欧州とそのパートナーは、ハーグで正義が勝利したことを確信している。今、私たちはロシアによるウクライナへの侵略に対しても同じことを求めている。この犯罪は明確かつ公正に非難されなければならない」と強調した。
加えて同氏は、「プーチンを含むすべてのロシアの戦争犯罪者は法廷に立たせなければならない。これが、私たちが真の起訴と真の判決へと向かう道である。そして私は、これまでそうしてきたように、あなた方にこのプロセスに関与し続け、主導し続けることを強く求める」と訴えた。
同氏はまた、裁判を通じてのみ、処罰の不可避性を達成できるのであり、だからこそ法廷は重要なのだと発言した。
その際同氏は、「武器、技術、ドローンに完全に集中すべきではないか?(編集注:と思う人もいるかもしれない。)もちろん、ウクライナへの軍事支援、ロシアへの厳しい制裁、侵略者への政治的圧力、それら全てが重要である。そして、これらはロシアにこの戦争の真の代償を感じさせるものである。そう、侵略者は負けるべきだ。しかし、正義もまた重要である。戦争犯罪者にとって隠れる場所が、欧州であろうとどこであろうと、なくなるように、それは機能しなければならない」と強調した。
そして同氏は、全てのロシアの犯罪が記録され、犯罪者が処罰されるべきだと強調した。
同氏は加えて、「そして裁判は、侵略による報奨は一切ない、という司法原則を確立するために機能しなければならない。だからこそ、侵略犯罪は記録され、非難され、処罰されなければならない。ハーグはそのために理想的な場所だ。ハーグは正義を待っている」と総括した。
これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は25日、ストラスブールのヨーロッパ宮で、ロシアによる対ウクライナ侵略犯罪を取り扱う特別法廷設立のための欧州評議会との協定に署名していた。
特別法廷の事務局はハーグに置かれる予定。
今後、希望する国家は、特別法定の運営と資金調達を規定する「拡大部分協定」に参加することになる。一部の国は欧州評議会のメンバーとして自動的に文書に署名できるが、他の国はまず国内議会で批准しなければならない。このプロセスは、今年の終わりから来年の初めにかけて行われる見込みとなっている。
特別法廷は、ウクライナに対する侵略犯罪について侵略国の政権高官を訴追する権限を持つことになる。国際刑事裁判所は、ウクライナにおける戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドを捜査する管轄権を持つが、しかし、侵略犯罪に関する事案を審理する能力は持たない。このため、特別法廷の設立によって、このギャップが埋められることになる。
Today, together with the Secretary General of the Council of Europe, @alain_berset, we signed the Agreement on the Establishment of the Special Tribunal for the Crime of Aggression against Ukraine.
— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) June 25, 2025
Today’s Agreement and this Tribunal give us a real chance to ensure justice for… pic.twitter.com/tkH3cVHNMY