「借金の記載なし」=ゼレンシキー宇大統領とシュミハリ宇首相、米国との鉱物資源合意案を説明
ゼレンシキー大統領が記者団とのやりとりの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちの政府関係者は、合意の最終案をかなり悪くないものとして評価している。彼らは、それは機能する可能性があると述べている。最終案を私はまだ完全には見ていない。私には最高司令官会議があったのだ。私が提起した大切な問題があるが、同案ではそれはかなり悪くない感じになっている。チームは本当に作業した。ウクライナ側も米国側もだ。私にとって大切だったのは、メディアが何と言ようと、私たちが借金持ちにならないことだった。合意には、5000億ドルの借金も、3500億ドルも、1500億ドルすらない。私は、私たちに関してそれが公正だろうと思っていた」と発言した。
また同氏は、同合意に設立がうたわれているウクライナ復興投資基金において、米国とウクライナはパートナーとなると指摘した。同氏は、「私たちはパートナーシップについて話す準備があるし、その基金はウクライナ・米国基金となり、米国だけのものではない」と発言した。
また同氏は、今回締結予定の合意は「枠組み合意」だと指摘した。その際同氏は、「(編集注:米国との最終合意案内での)資金の話をするのはまだかなり早い。それは枠組み合意だ。ウクライナは新しい何らかの物から基金(編集注:復興投資基金)に資金を投入していくのだが、大切なのは、今はあなた方はそこに何も補償することができないということ、それを行わないということだ。なぜなら、基金に関する次の合意がないからだ。それはより複雑で真剣なものとなる。それにはパートナー関係や資金などについて記述されていく。そして、次の合意は、ウクライナ議会で必ず批准されることになる。私は、米国議会については知らないし、それについてパートナーたちはまだ話していない」と発言した。
同日、シュミハリ首相も、テレビ番組出演時に、同合意案は現在「ウクライナ復興投資基金のルールと条件の確立に関する合意」と名付けられていると伝えた。
シュミハリ氏は、「私たちは安全の保証のない合意はいかなるものであれその署名を検討していない。そして、過去2週間、米国とウクライナの政府は、私たちの経済強力の合意につき集中的に作業をし、私たちは最終案を実質的に完成させた。現時点で、合意(案)は『ウクライナ復興投資基金のルールと条件の確立に関する合意』と名付けられている。実質的に、それは事前合意であり、法的効力や、ウクライナ復興のための投資基金の将来の設置について定めるものだ。ウクライナと米国は平等にその基金を管理し、資金を拠出していくことになる」と発言した。
同氏はまた、ウクライナ閣僚会議(内閣)がその合意案本文を検討すると伝えた。
そして同氏は、「合意(案)は準備ができており、今日政府がその合意本文を検討し、その後の安全の保証に関するウクライナと米国の両大統領の協議の際の署名のために大臣に権限を付与する」と説明した。
加えて同氏は、合意案の内容の性格を説明する中で、そこには米国とウクライナのパートナーシップを深化させ、永続的な平和とウクライナ復興のための共同活動を実現する目的で設置される復興投資基金のルールと条件を確立させることが記述されていると述べた。また同氏は、ウクライナ政府の基金への拠出金は「国家資産や関連インフラ施設におけるあらゆる関連天然資源資産の将来の収益化から得られる全ての収入の」50%となると指摘した。
さらに同氏は、「私たちの未来の収益の一部がウクライナの拠出としてみなされている。大切なことは、存在しないものでもこれまでのものでもないことであり、この合意が未来に関するものであることだ。将来ウクライナが獲得する収入、鉱物の使用料やライセンス料、鉱物の輸送や採掘に使用されるインフラ施設の配当金、これがウクライナの拠出金となる。つまり、私たちはそのような収入の50%を米国と共にウクライナ復興基金に拠出していく」と発言した。
同氏は加えて、米国も自らの拠出金を出していくと述べた。そして、その基金は、復興と安全保障をはじめとするウクライナの発展のために投資されるという。また基金は、ウクライナと米国の政府が管理していき、決定は両国の同意で採択されていくという。
その他同氏は、ウクライナの安全の保証は同合意における重要な場所の1つを占めていると指摘した。その際同氏は、合意案全文には、「米国民はウクライナと共に、自由で主権のある安全なウクライナに、ウクライナと一緒に投資することを望んでいる」と書かれていると伝えた。同時に米国は合意において、ウクライナが「第3位の保有量の核兵器を自発的に放棄した」ことも認めているという。
同氏はまた、この合意に関する協議が欧州のパートナーたちとの間でも行われたと言及した。同氏は、米国はウクライナの欧州統合を優先課題と認めており、同時に合意文には、2021年覚書で確認された欧州連合(EU)とウクライナの鉱物採掘・開発分野の強力が考慮されているという。
その際同氏は、「この協定では、私たちの欧州統合の利益と、国際通貨基金(IMF)や世界銀行といった国際金融機関との私たちの協力が考慮されている」と述べた。
同合意における「安全の保証」要素について、シュミハリ氏は、「合意は安全の保証に結びついている。この事前合意の第10項目は、この基金合意が二国間・多国間合意の構造、永続的な平和実現、経済・安全保障上の強靭性の強化と合意の全文に定められている目的の反映のための具体的ステップを構成するとうたっている。そして、米国政府は、ウクライナの永続的な平和を作り出すために必要な安全の保証を得る努力を支持している」と発言した。
これに先立ち、米国のトランプ大統領は25日、ウクライナのゼレンシキー大統領は28日にも米国を訪れ、ウクライナに埋蔵する希少鉱物資源に関する合意に署名するかもしれないと発言していた。
ウクライナのステファニシナ欧州・欧州大西洋統合担当副首相兼司法相は24日、米国とのウクライナに埋蔵する鉱物資源に関する合意をめぐる協議は最終段階に入っていると発言していた。
23日、ゼレンシキー大統領は、米国側とのウクライナの天然資源利用の合意は米国からの明確な安全の保証を含まねばならないと発言していた。