「ロシアの対ウクライナ戦争は、クリミアから始まったのであり、クリミア解放で終わるべき」=ゼレンシキー宇大統領メッセージ全文

「ロシアの対ウクライナ戦争は、クリミアから始まったのであり、クリミア解放で終わるべき」=ゼレンシキー宇大統領メッセージ全文

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、ウクライナはクリミアを決してあきらめないし、クリミアから始まったロシアの戦争は、クリミアの解放で終わるべきだと発言した。

ゼレンシキー大統領が9日夜の動画メッセージの際に発言した。全文以下のとおり。


健康を願う、親愛なるウクライナ人よ!

今日は、クリミアのテーマに多くの注意が向けられている(編集注:9日、クリミア西部ノヴォフェドリウカの露軍航空基地にて爆発が発生したことが報じられていた)。そして、それは正しいことだ。なぜなら、クリミアはウクライナなのであり、私たちはクリミアを決してあきらめないからだ。

私たちは、クリミアの占領からロシアの対ウクライナ戦争が始まったことを忘れない。

ロシアは、常に欧州における最高の場所の一つであった私たちの半島を、欧州で最も危険な場所の一つに変えてしまった。ロシアは、クリミアに大規模な弾圧、環境問題、経済的閉鎖、戦争を持ち込んだ。戦争を、だ。

もしかしたら、歴史家たちは、ロシアがクリミアをテロに利用することで、どれだけの人が殺害されたのか、いつの日か判明させるかもしれない。数万人? 数十万人? ウクライナ、ジョージア、シリアやより遠くの地域においてだ。

ロシアの占領者がクリミアにいることは、欧州全体や世界の安定にとっての脅威である。クリミアが占領されている以上、安全な黒海地域はあり得ない。ロシアが私たちの半島を軍事基地として利用し得る以上は、地中海沿岸の多くの国においても、安全かつ長続きする平和は生じない。

このロシアの対ウクライナ戦争、対自由な欧州戦争は、クリミアから始まったのであって、クリミアの解放によって終わらねばならない。今は、解放がいつ生じるかを述べるかは不可能だ。しかし、私たちは常に、クリミア解放の公式へと必要な要素を追加している。

私たちは、クリミア・プラットフォームを始めた。クリミア解放の作業のための重要な外交の場だ。クリミア・プラットフォームは今年も活動している。私たちはもう同プラットフォームの首脳会談の準備をしている(編集注:8月23日にオンライン形式での開催が告知されている)。

クリミアの議題は、ロシアの対ウクライナ戦争が議論されるあらゆる国際場裏で聞こえている。ロシアによるクリミア奪取に対する世界の対応、より正確には、その対応が不十分であったことが、現在、対露制裁を強化するための最善の根拠の一つとなっている。世界は、2014年、ロシアの最初の侵略行為に対して全力では対応しないと決めたことが、過ちだったことを認め始めている。

そして、もちろん、私たちは、ウクライナの先住民であるクリミア・タタール人、カライム人、クリムチャク人のための権利と歴史的正義を巡る闘いに然るべき注意を割いている。今日の「世界の先住民の国際デー」に、私たちには、確かに言うべきことがあるのだ。

昨夏、根元的な「ウクライナの先住民」法が採択された。その法律により、先住民と先住民代表機関の権利が定められている。

ウクライナは、他民族国家だ。私たちの大地には、何世紀にもわたり、様々な民族コミュニティが暮らしている。しかし、その大半は、ウクライナの国外に自らの国家建設の経験を持っている。私たちの国は、その民族文化と願望がクリミアにて形成された複数の民にとっての祖国である。そのため、私たちが(クリミア)半島の解放のために仕事をする際には、私たちは、国家の領土一体性の回復とともに、ウクライナの先住民の家の奪還を巡っても戦っているのである。私は、そうなることを信じている。私は、私たちがウクライナのクリミアに戻ることを知っている。そして、私は、その点で私たちを支援している全ての私たちのパートナーたち、国際機関に対して感謝している。

まだ、全ての詳細を発表するには時期尚早だが、今年のクリミア・プラットフォームの仕事が昨年の第1回首脳会談より、その規模と代表性が小さくなることはない。フォーマットは違ったものとなるが、その意義は(昨年より)大きくなる。

私たちは、ウクライナの先住民の権利の保護とその実現支援のための新たな決定を準備している。私たちは、クリミアを占領者から解放した後の経済復興プログラムも用意している。

そして、重要なことは、私たちがウクライナ軍、ウクライナの情報機関や、私たちの大地の解放とロシア植民地主義的侵略の打倒のために戦う人全員を支えることである。

ハルキウ州からヘルソンまで、ドネツィクからエネルホダルまで、スタニツャ・ルハンシカからヤルタまで、ベレジャンシクからノヴォフェドリウカまで。全てが私たちの国の一部であり、全てがウクライナであり、全てが完全に自由となるのだ。

私は今日、防衛者叙勲の新しい大統領令に署名した。182名の戦闘参加者への国家褒賞が定められた。2月24日以降叙勲されたウクライナの戦士の数は、すでに2万6000人を超える。

私は、ウクライナを守る一人一人に感謝している。自由のために戦う全ての人に永遠の栄光あれ! ウクライナに栄光あれ!

写真:大統領府


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用に際しては、検索システムに対してオープンであり、ukrinform.jpの第一段落より上部へのハイパーリンクが義務付けてられています。また、外国報道機関の記事の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びその外国報道機関のウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。「宣伝」のマークあるいは免責事項のある記事については、該当記事は1996年7月3日付第270/96-BPウクライナ法「宣伝」法第9条3項及び2023年3月31日付第2849ー9ウクライナ法「メディア」の該当部分に従った上で、合意/会計を根拠に掲載されています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-