国連第3委員会、内容の更新されたクリミア人権決議案採択

国連第3委員会、内容の更新されたクリミア人権決議案採択

ウクルインフォルム
17日、国連第3委員会は、内容の更新された決議案「一時的被占領下クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市(ウクライナ)の人権状況」を採択した。

ウクルインフォルムのニューヨーク特派員が伝えた。

賛成は64か国、反対は20か国、保留は93か国となっている。日本は賛成票を投じた。

反対したのは、ロシア、アルメニア、ベラルーシ、カンボジア、中国、キューバ、北朝鮮、エリトリア、インド、イラン、カザフスタン、キルギス、マリ、ニカラグア、フィリピン、セルビア、スーダン、シリア、ベネズエラ、ジンバブエ。

採択された新しい決議案には、クリミアの武力による奪取が違法であり、国際法違反であること、同地はウクライナに速やかに返還されねばならないと書かれている。

また、一時的被占領下クリミアにてロシア連邦が作った機関と職は非合法であり、それらは「ロシア連邦占領政権機関」と呼ばれなければならないと説明されている。

決議案では、国連事務総長によるクリミア人権状況報告書をもとにした占領国の責任に懸念が表明されている。

加えて、クリミアにおける政治的動機の迫害、拷問、恣意的な拘束・逮捕、裁判を経ない殺人、誘拐、強制失踪への懸念が記されており、具体的に、迫害対象となっているエミル=ウセイン・クク、ハリーナ・ドウホポラ、セルヴェル・ムスタファイェフ、ウラディスラウ・イェリペンコ、ナリマン・ジェリャルといった人物の名前が挙げられている。

同案にはまた、クリミアの先住民であるクリミア・タタール人を含む、ウクライナ国民が直面している制限についても指摘されており、経済、社会、文化面での自らの権利の実現や、労働権、自らの独自性、文化の維持、ウクライナ語やクリミア・タタール語で教育を受ける権利などが制限されていることが説明されている。

さらに、クリミアにおける文化・自然遺産の破壊、違法な発掘、文化財の譲渡、宗教上の伝統に対する迫害が指摘されている。

また、クリミアにおいてロシア連邦が軍事化を進め、また若者への同化政策を行っていること、特に「軍事愛国心」教育システムを導入するなど、クリミアの子供たちの戦闘に駆り立てる準備を行っていることへの懸念が表明された。

その他、ロシアが国勢調査を被占領下ウクライナでも実施していることは違法であることが記された。

加えて、ロシア占領政権がクリミアの住民に対して飲料水を確保することを義務付けられていることが強調されている。

今回の投票の前に、セルヒー・キスリツャ駐国連ウクライナ常駐代表は、同案の紹介をしつつ、今回の決議案は国連事務総長の8月に公開されたクリミア人権状況報告にもとづいて作成されたものだと説明した。

キスリツャ氏は、今回の決議案には複数の歴史的要素があるとし、具体的には、占領政権に対するクリミア住民のための飲料水確保、クリミア先住民に対する弾圧の停止、宗教団体の活動に対する禁止の解除、文化・自然遺産破壊の停止、記者・報道関係者の安全の確保、強制失踪事案の捜査、政治的被拘束者の解放といった要請のことだと説明した。

ゼレンシキー大統領は、今回の決議案採択につき、ツイッター・アカウントにて、「国連総会委員会による、一時的被占領下クリミアの人権状況決議案採択を歓迎する。私たちのクリミア・プラットフォームも決議案に掲載されている!」と書き込み、同案が12月に国連総会での本採択されることへの期待を表明した。

なお、国連総会クリミア人権決議は、2016年から毎年採択されているもの。同決議により、国際社会において、クリミアの地位は「ロシア連邦に占領されたウクライナ領クリミア」となっており、ロシア連邦は「クリミアにおける占領国」と定義されている。2020年の国連第3委員会でのクリミア人権決議案採択の際の投票行動は、賛成63か国、反対22か国、保留85か国であった。


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