ゼレンシキー大統領、大富豪定義法案を提出
法案第5599「社会生活において著しい経済的あるいは政治的重みを持つ人物(オリガルヒ)の過剰な影響と関係する国家安全保障への脅威防止」の本文が最高会議ウェブサイトに掲載された。
同法案では、「オリガルヒ」とみなされる人物は、社会生活において経済的あるいは政治的に著しい重みを持つ人物とされている。ある人物を「オリガルヒ」のカテゴリーに含める際の要素としては、政治への参加、マスメディアへの著しい影響力、法発効時点で独占の対象となっているビジネス主体を所有していることが挙げられている。
その他、人物の資産総額が指定額を超えることも要件となっている。
加えて、人物が「政治参加」をしているとみなされるのは、大統領、最高会議議長、首相、閣僚等の政権幹部職に就いている、そのような職とつながりがある、政党幹部職についている、政党活動、政治宣伝、集会実施、政治的要求のデモに資金供与をしたことがある場合が挙げられている。
「マスメディアへの著しい影響力」を持つとみなされるのは、マスメディアの最終利益者である、マスメディアをコントロールしている、あるいは同法発効時点に最終利益者だった/コントロールを有していたが同法施行時点までにそのような地位を失っている人物だと指定されている。
また人物を「オリガルヒ」と認定する決定は、国家安全保障国防会議(NSDC)が閣僚会議(内閣)、NSDCメンバー、中央銀行、保安庁(SBU)、あるいは独立禁止委員会の提案を根拠に採択することが提案されている。
採択された場合、その人物は、「社会生活において経済的あるいは政治的に著しい重みを持つ人物(オリガルヒ)」登録リストに加えられる。
そして、公的人物あるいは同人物を代表する人物がオリガルヒ登録を受けた人物と接触する場合には、その人物は接触(会談、あらゆる内容の対話など)に関する宣言を提出することが義務付けられる。この義務の対象となるのは、大統領、最高会議議長・副議長、最高会議議員、首相、閣僚、各省次官、SBU/検事総長/中央銀行のトップと次官、憲法裁判所裁判官、NSDC書記・副書記、汚職対策関連書記官幹部などが列挙されている。
同法の発効は交付翌日から、法の内容が施行されるのは発効から6か月後で、失効は施行から10年後とすることが提案されている。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は、4月15日、NSDC、大統領府、独占禁止委員会に対し、オリガルヒの地位に関する法案の作成を提案していた。