米国、ウクライナの大富豪コロモイシキー氏に制裁発動
5日、国務省がアントニー・ブリンケン国務長官の声明を発表した。
ブリンケン国務長官は、「今日、私は、ウクライナのオリガルヒであり、元政権幹部であるイーホル・コロモイシキー氏を、彼の重大な汚職への関与を根拠に公的指定(編集注:制裁リスト入り)したことを発表する。コロモイシキー氏は、2014年から2015年にかけて、ウクライナのドニプロペトロウシク州行政府長官職を務めていた時、自らの個人的利益のための政治影響力と政治権力行使を含む、法の支配とウクライナ市民社会の民主機構と統治プロセスを弱体化させる汚職活動に参加していた」と発言した。
長官は、今回の制裁リスト入りはコロモイシキー氏の同職勤務時の行動にもとづいたものだが、「私は、コロモイシキー氏による、ウクライナの未来にとって深刻な脅威をもたらしている現在と進行中のウクライナの民主的プロセスと機構の弱体化努力についても懸念を表明したい」と発言した。
長官はまた、今回の決定は、2020年国務省・外国オペレーション・関連プログラム資金拠出法の第7031(c)条にしたがって採択されたと指摘した。
さらに長官は、「イーホル・コロモイシキー氏に加えて、私は、イーホル・コロモイシキー氏の直接の家族構成員である、妻イリーナ・コロモイシカ氏、娘アンヘリカ・コロモイシカ、息子イスラエル・ツヴィ・コロモイシキー氏も公的指定する。この行為は、イーホル・コロモイシキー氏と彼の直接の家族構成員の米国入国を不可能とするものだ」と説明した。
長官は、この度の決定は、ウクライナの欧州大西洋方針にとって重要な政治、経済、司法分野改革への米国の支持を再確認するものだと述べ、さらに「米国は、改革を前に進める仕事をしている全てのウクライナ人を支持し続ける。国務省は、地域と世界の汚職人物の責任追求促進のため、このような権限を今後も行使し続ける」と発言した。
また、在ウクライナ米大使館は、ソーシャルメディアにて、今回の発表をコロモイシキー氏の写真などを使って紹介している。
(1/3) Today, @SecBlinken announced the public designation of Ihor Kolomoyskyy and members of his immediate family under Section 7031(c) due to his involvement in significant corruption as Governor of Dnipropetrovsk Oblast from 2014 to 2015: https://t.co/mYDdRoa4Zz pic.twitter.com/dvqishj5El
— U.S. Embassy Kyiv (@USEmbassyKyiv) March 5, 2021