3者協議ウクライナ副代表「東部で露との戦争は確認されていない」 大統領府「受け入れられない発言」

3者協議ウクライナ副代表「東部で露との戦争は確認されていない」 大統領府「受け入れられない発言」

ウクルインフォルム
ウクライナ、ロシア、欧州安全保障協力機構(OSCE)からなる三者コンタクト・グループ(TCG)にて、ウクライナ側の第一副代表を務めるヴィトリド・フォーキン元首相は29日、ドンバス地方にてウクライナとロシアが戦争をしているということを確認するものは目にしていないと発言した。これに対して、大統領府はじめ、政権内から批判が起きている。

フォーキン氏は、29日、最高会議(国会)国家建設・地方自治・地域発展・都市建設委員会の会合に出席した際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

議員からの質問に対して、フォーキン氏は、 「私は、東部では、ウクライナ軍に対して戦争が起きており、その戦争は、武装集団や世界約30か国から来た傭兵によって行われている、という事実を述べる。(中略)ロシア連邦の積極的なサポートを受けてであることは明確にしよう」と発言した。

議員が更に、ドンバスの武力対立をロシアとの戦争だとみなしているか、と質問すると、フォーキン氏は「戦争に関しては、私は政治家ではなく、何らかの形でのその認定を行うことはできない。なぜなら、そこでウクライナとロシアの間で戦争が行われているということを確認するものは、今のところ私は目にしていないからだ」と発言した。

このフォーキン氏の発言に対して、大統領府、TCG、議会・政府関係者など、ウクライナ政権内から様々な批判が行われている。

30日、大統領府は、本件につき「ヴィトリド・フォーキン氏の受け入れられない発言について」と題する声明を発出した

大統領府は、フォーキン氏の同発言につき「個人的な評価とコメントにより不愉快な印象を抱いた」と指摘しつつ、「国家を代表するものは誰であれ、公式の立場と個人の立場とは混同してはならないことを覚えておかねばならないことは明白である。それら立場が異なる場合、つまり、個人の見解が、それがどのようなものであれ、国家のそれと異なった場合、国家を代表する限りは、国家の見解を選択しなければならない。個人の見解ではなく、国家の見解を選ばねばならないのだ」と強調した。

その上で大統領府は、ウクライナの公式立場は、客観的現実と政治的真実と完全に一致しているとし、「ロシアの侵攻によってウクライナ領であるクリミア自治共和国、セヴァストーポリ市、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の一時的占領が始まったのだ。その国こそがウクライナの一時的被占領地を完全に支配しているのであり、その地で起きている全てのことに決定的な影響力を有している。それは全くもって明白な真実である」と指摘した。

また、TCGウクライナ代表団も29日、本件に関する公式声明を発出した。

ウクライナ代表団は、いかなる人物も個人の立場を持つ権利はあるとしつつ、「しかし、私たちは皆、TCG協議のウクライナ代表団として、たとえ協議の外であっても、私たちの国の公式の立場のみを維持しなければならない。クリミア一時的占領とドンバス戦争の問題に関して、公式立場を維持するのは非常に簡単だ。なぜなら、ウクライナの公式立場は、戦争に関する真実と完全に一致しているからだ」と指摘した。

その上でウクライナ代表団は、ウクライナ領内の戦争はロシア連邦とロシア国民が持ち込んだものであり、だからこそ、TCG(三者コンタクト・グループ)にはウクライナ、仲介者であるOSCE、占領国であるロシアが参加しているのだと説明した。

ウクライナ代表団は、「ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領から受けている、私たちの協議での課題は、ロシアがウクライナの一時的被占領地を支配しており、現地で起きることの全てにロシアが決定的影響力を有しているという理解にもとづいて組み立てられている」と強調した。

TCGは、これまでのTCGの作業中、フォーキン氏から類似の疑わしい発言を聞くことはなかったと指摘し、今回フォーキン氏がこのような発言をしたことを「妙なこと」だと思っているとしつつ、「フォーキン氏の発言は然るべき評価を受けるだろう」とコメントした。

アンドリー・イェルマーク大統領府長官は29日、フェイスブック・アカウントにて、本件につき、「私の個人的立場は、フォーキン氏はTCGを去るべき、というものだ」と書き込んだ

イェルマーク氏は、ウクライナの公式立場として、「1つ。私たちのところでは戦争が続いている。そこにいるのは、観察者ではなく、紛争当事者である、ロシアである。それとクリミア併合があるからこそ、西側諸国がロシアに対して制裁を科しているのだ」とコメントした。

続けて、同氏は、「2つ目。私たちは、完全な脱占領かと全てのウクライナ領の返還を主張している。それのみが真の平和の回復を意味し得るのだ」と書き込んだ。

アルセン・アヴァコウ内務相も29日、フェイスブック・アカウントにて、フォーキン氏の発言はウクライナにダメージを与えるものだと指摘した

アヴァコウ氏は、「フォーキンは、戦争中に、その戦争が存在しないと言っている。何千というウクライナの兵士と民間人が亡くなった戦争についてだ。サウル・モヒラやイロヴァイシクでロシアのグラートにより亡くなった人々の家族に同じことを言ってみろ」と書き込んだ。

更にアヴァコウ氏は、「フォーキン氏の過去数週間の言葉は、国に絶大なダメージを、そしてウクライナ人の心に痛みと怒りをもたらしている」と指摘した。

またアヴァコウ氏は、「『そこに彼らはいない』というのはプーチンの言葉だ。ウクライナを代表する人物の言葉ではない」と強調した。

なお、ヴィトリド・フォーキン氏は、独立ウクライナにて初代首相(1990〜92年)を務めた人物。ゼレンシキー大統領は、2020年7月30日に同氏をTCGウクライナ第一副代表に任命している。なお、大統領はその際、レオニード・クラウチューク初代ウクライナ大統領をTCGウクライナ代表に任命していた。


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