ロシアは初めてルカシェンコを大統領選挙で支持しないことを決めた=ベラルーシ野党政治家
ベラルーシの野党政治家であるヴァレリー・ツェプカロ氏がキーウ(キエフ)訪問中にニュースサイト「フロマツィケ」へのインタビュー時に発言した。
ツェプカロ氏は、「ロシアにとっても、ルカシェンコを支持するか、あるいは将来ベラルーシの民とけんかするか、というのは深刻な問題だ。というのも、彼(ルカシェンコ氏)が再選する保証がないからだ。また、反対に(ロシアが)ベラルーシの民を支持する、というのも難しい。なぜなら、ルカシェンコとの間に様々な合意、義務があるからだ」との見方を示した。
同氏は、今回の選挙でロシア政権は、どの候補者も支持しない立場をとっており、それが現状唯一の正しい立場だと指摘した。
ツェプカロ氏は、「クレムリンだけでなく、(ロシア)国家院のより独立的な政治家も支持を表明していない。唯一指摘するならば、ワグナー傭兵ら(編集注:ベラルーシ治安機関に拘束されたロシアの民間軍事会社「ワグナー」の傭兵33名。同国治安機関は、彼らが選挙前の情勢を不安定化するためにベラルーシに来ていた可能性を指摘している)が拘束された際に、ザトゥーリン(露国家院議員)がそれを、ばかげたこと、ルカシェンコの異常さを示すものと述べていた。彼はあまり外交的な言い方をしなかったが、しかし、その立場はモスクワの公式立場に近い」と発言した。
なお、ツェプカロ氏は、本年8月9日のベラルーシ大統領選挙において、ルカシェンコの有力対抗馬とみなされていた人物。しかし、7月14日、ベラルーシ中央選挙管理委員会は、同氏の出馬登録を認めなかった。その際、委員会は、ツェプカロ氏が提出した16万以上の署名の内、8万弱のみ認め、出馬登録に必要な署名数(10万)に足りないと主張していた。
7月24日、ツェプカロ氏は、治安当局に拘束されることを危惧して、ベラルーシを出国しモスクワへ向かったことが伝えられた。その後、ツェプカロ氏は、ウクライナのキーウを訪れている。
現在、ベラルーシでは、8月9日に投票日を迎える大統領選挙の選挙運動が続いている。野党勢力では、ツェプカロ氏と同様に出馬が認められなかったヴィクトル・ババリコ氏が、出馬の認められたスヴェトラナ・チハノフスカヤ氏への支持を表明しており、チハノフスカヤ氏が主要な野党候補となっている。ババリコ氏は、現在拘置所にて拘束されている。