外務省、イスラエル政府による反ユダヤ主義に関する批判に返答
15日、ウクライナ外務省の声明が公表された。
外務省の声明には、「1月13日のイスラエル外務省の声明に関して、私たちは、ウクライナがあらゆる形の不寛容と反ユダヤ主義を断固として非難していること、政権機関はあらゆるレベルでその発現との闘いの努力を行なっていることを強調する。それは、影響力のある国際機関、NGOによっても認められているし、イスラエルのディアスポラ省も認めている。このような評価は、ウクライナのユダヤ・コミュニティや国内人権保護NGOのデータとも一致している」と指摘されている。
外務省はまた、ウクライナにおけるホロコーストの悲劇に関する歴史追記憶が維持されることと、ウクライナの独立のために闘うも、ソ連邦のプロパガンダにより侮辱されてきた人々などの歴史的正義が回復されることは、今後もウクライナの国政における重要な方針であり続けると強調した。
声明には、「私たちは、文明的国家は全ての亡くなった人々への追悼の原則から行動すべきであり、この分野の議論は歴史家や専門家のレベルで進められるものであり、政治家が行なうものではないことを改めて強調する」と書かれている。
これに先立ち、13日、イスラエルの外務省は、ウクライナにおける民族主義運動の思想家の賞賛を非難し、これら人物を「ホロコーストの際のユダヤ人殺害に責任ある者たち」と指摘する声明を発出していた。
また、1月2日には、ジョエル・リオン駐ウクライナ・イスラエル大使とバルトシュ・ツィホツキー駐ウクライナ・ポーランド大使が、ウクライナの地域レベルで「永遠に非難されるべき」歴史的出来事や人物への賞賛が行なわれているとして、懸念を表明する共同声明を発出していた。
両大使は、具体的に、リヴィウ州議会にて、ウクライナ民族主義者組織のアンドリー・メリニク、作家イヴァン・リーパ氏その息子ユーリー・リーパを追悼・賞賛する決議が採択されたこと、キーウ市行政府の建物にウクライナ民族主義者組織を率いたステパン・バンデラ氏の肖像画が掲げられたことを挙げて非難していた。
これに対して、1月9日、ヘンナジー・ナドレンコ駐イスラエル・ウクライナ大使は、イスラエル外務省に対して、駐ウクライナ・イスラエル大使による立場が非生産的であると主張していた。
同時に、ウクライナ外務省は、あらゆる民、あらゆる国が、自国の英雄を独立して定め、称えるものであり、ウクライナ民族の記憶の回復・維持は国政の優先課題の一つであると発表していた。