シルシキー宇軍総司令官、誰が国防相となっても協力する用意表明「私はロシアと戦っている」
シルシキー総司令官がミリタルニーにコラム記事を寄稿した。
シルシキー氏は「私にとって、自分と大臣(編集注:フェドロウ前国防相)の間に対立があったと知ったのは驚きだった。私は私たちの関係を、困難な課題や異なる立場を伴う実務的なものと受け止めていた。大戦争中では、2つの機関の間は、そのようであるべきだ」と書き込んだ。
また同氏は、ウクライナが戦争を耐え抜いているのは、代わりの利かない人がいるからではなく、「軍、機関、自らの仕事を行う何百万もの人々がいるからだ」と主張した。
同氏はそして、「この戦争を2人の個人の対立に帰結させることは、敵のために私たちが行い得る最大のサービスだ。(中略)実際の活動が戦争に勝つのであり、戦争の周りの公の場でのドラマではない」と書き込んだ。
さらに同氏は、国防省が軍への供給、調達、政策の策定、ウクライナ軍に対する文民統制に責任を負う一方で、参謀本部が戦争戦略、作戦の計画、前線の状況に責任を負っていると説明した。同氏はそして、「戦争戦略、作戦の計画、前線の状況は、法律に従い、最高司令官(編集注:ゼレンシキー大統領)に対する私の責任である。長射程攻撃、クリミアの孤立化は、ウクライナ軍、保安庁、情報総局、国境警備庁が行っており、最高司令官と私が調整している。私が誰かの成功を『邪魔している』からではなく、世界の全ての軍隊で制度的プロセスがそのように構築されているのだ」と訴えた。
同氏はまた、戦争戦略は公の議論の対象にはなり得ないとし、「戦争の戦略は公の文書でもソーシャルメディアの投稿でもない。それは最高司令官に報告されるものであり、その結果は前線で目に見えるものだ」と指摘した。
無人機関連の自身への批判について、シルシキー氏は、自分こそが独自の軍種として無人システム軍の創設を主導して、その司令官にブロウジ少佐(マジャール)を任命することを提案したのだと指摘した。同氏はその際、「『無人機で戦いたがらない』人物は、世界で初めての独自の無人システム軍という軍種を創設しないし、軍のヒエラルキーのあらゆる伝統に反するような司令官を据えたりはしない」と書き込んだ。
同時に同氏は、無人機は他の戦闘手段を完全に代替することはできないとも主張した。同氏は、「無人機は今日、大きな攻撃割合を占めている。これは事実だ。しかし、無人機の効果的な活動のために戦場を準備するには、榴弾砲、迫撃砲、工兵手段、防空、電子戦、さらに数十の品目が必要だ」と指摘した。
人事についてのコメントにて、同氏は、忠誠心ある指揮官のみを任命しているとの自身への非難に反論し、成果を出したことで昇進した一連の軍人の名前を列挙した。
その他同氏は、新しい軍人契約に関する状況に注意を向け、「新しい契約は1か月以上前に発表された。今日の時点で、100万人規模の軍に対して約2000名の軍人が署名した」と指摘し、「期待していた条件とは異なる条件を受け取り、意欲を失った兵士や将校が多くいる」と指摘した。
そして同氏は、「大統領が課した課題である動員改革についても同様だ。陸軍と領域採用センター(編集注:徴兵機関)は私の垂直統制下にあり、私たちは変化への準備ができている。最高会議(国会)の全ての会議に出席し、全ての違反を国家捜査局へ送付し、警察の関与を主張している。しかし改革自体は、省の立法及び行政業務だ。私は国全体と同様に、それを待っている」と発言した。
加えて同氏は、軍人への給与のタイムリーな支払いを保証する必要性を強調しつつ、「大臣(編集注:フェドロウ氏)自身が、軍人の給料の資金の一部が無人機の調達へ向けられたと公に述べた。そのため下半期に支払いの資金調達問題が発生した。(中略)兵士の給料は再分配のための予備費ではなく、毎日命を危険に晒している人々に対する国家の義務だ」と強調した。同氏は、全ての軍人が「自らの分を適時に全額受け取れるよう」、政府と共に解決策の模索が続いていると述べた。
その上で同氏は、主要な目的はウクライナの防衛であり続けているとし、参謀本部は任命されるいかなる国防相とも協力を継続すると発言した。同氏はそして、「私は(国防)省と闘っているのではない。私はロシアと戦っている。参謀本部が省に敵対したことは一度もない。私たちは国家が任命するいかなる大臣とも協力してきたし、今後も協力する。なぜなら軍隊では一緒に働く相手を選べないからだ。軍隊では命令に従い、自らの仕事を行う。しかも、それを質高く行う。私の仕事は戦争だ。戦略、前線、人々。私はこれに取り組み、今後も取り組む。できればインタビューやコラムなしで。ウクライナは誰の名よりも大きい。そして全員が自らの場所で自らの仕事をすれば、ウクライナは耐え抜く」と強調した。
写真:大統領府