
これは欧州の未来をかけた戦争=フレデリクセン・デンマーク首相、欧州にウクライナ支援強化を呼びかけ
フレデリクセン首相がデンマークのEU議長国就任に際してのフォンデアライエン欧州委員会委員長とのオーフスでの共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フレデリクセン氏は、ロシアのプーチンが平和を望んでいる兆候は全く見られないと述べた。また同氏は、「そして、プーチンがウクライナで止まるつもりだと私は一瞬たりとも思っていない。したがって、私たちはウクライナを可能な限り最高の状態に置くべきなのだ。EUはロシア経済をさらに弱体化させねばならない。私たちは制裁を強化し、ロシア産ガスの輸入を停止し、ロシアの『影の船団』を標的にすべきである」と強調した。
加えて同氏は、もし米国がウクライナに必要なものを供給するのを止めるのなら、それはウクライナだけでなく、欧州とNATOにとっても「深刻な打撃」となると指摘した。
同氏はさらに、「これは欧州の未来をかけた戦争である。(中略)私たちは、ウクライナに関しても、大西洋間パートナーシップが継続することを期待している。それは私たち全員にとって重要なことだ。もし何らかのギャップが生じるならば、私は、私たちがそれを埋めるべきだと思っている。(中略)ウクライナへの武器供給を寄付として考えるのではなく、私たちの軍備の一部として考えるべきである。(中略)ウクライナへの武器やその他のシステムの供給は、欧州とデンマークの防衛の一部なのだ」と発言した。
その他同氏は、1年強前にウクライナでの武器生産を直接支援するためのモデルが構築され、それが非常にうまく機能していることを改めて喚起した。同氏は、ウクライナは他の欧州のパートナー国よりも速く、より良く、より安価に生産していると評価し、さらにウクライナには今も能力があると補足した。
同氏はその上で、「したがって、他の欧州諸国がウクライナでの生産にもっと資金を供給することが、私たちにとって必要だ。同時に、ウクライナの生産をここデンマークのような他の欧州諸国で支援するために、生産拠点をウクライナから移す可能性も検討している」と述べた。
加えて同氏は、EU拡大の重要性も強調しつつ、加盟への道のりに特定の加盟国の立場を考慮した障害があることを認めた。同氏はその際、デンマークは議長国期間中に、「ウクライナ人が、然るべく欧州連合の加盟国となる」ために、これらの問題の解決策を模索すると伝えた。
また同氏は、自身は個人的に戦争中の国が必要な改革を行えることに感銘を受けたと述べた上で、今度はEUが自らの「宿題」をしなければならないと指摘した。
同氏はさらに、「ウクライナは欧州家族の一員である」と強調し、ゼレンシキー大統領がオーフスでのイベントに参加できたことへの喜びを表明した。
そして同氏は、ウクライナのNATO加盟も支持すると改めて発言した。
デンマークのEU議長国の課題について言及する中で、フレデリクセン氏は、ロシアが欧州大陸に戦争を戻してきて、同時に中東情勢が緊迫化し、移民、気候変動、世界的な競争の悪影響が感じられる中で、歴史上で最大級に困難な時期を欧州が安全に乗り切れるようにしなければならないと強調した。
その際同氏は、「これらすべての課題には一つの答えがあると思う。それは、より強力な欧州であり、それが私たちの議長国の主要な目標だ」と述べた。
同氏は、デンマークの議長国としての課題として、ウクライナ支援に加え、共同防衛生産、共同調達などを通じた欧州防衛の大幅な強化を挙げた。
そして同氏は、「私たちは遅くとも2030年までに欧州を再武装せねばならない。(中略)私たちは未来の安全を確保する決定を今日下さねばならないのだ」と発言した。
同氏は、3つ目の課題として、特に国境管理や法を犯した者の強制送還を通じた、移民問題の秩序化と減少だと指摘した。
写真:Danish Presidency of the Council of the EU 2025(flickr)