【宇日防衛相会談】両国防衛相、中国の海警法へ懸念=日本防衛省発表
防衛省が同会談の結果を公表した。
発表によれば、岸信夫防衛相から、アンドリー・タラン国防相に対して、今回の会談が実現できたことは両国にとり重要であること、また日本は一貫してウクライナの主権及び領土一体性を尊重すること、力による一方的な現状変更の試みは断じて認めないとの立場には変わりがないことを表明した。タラン大臣は、日本の立場に感謝を示し、両国間の防衛協力・交流の一層の進展への期待を述べた。
発表には、「両大臣は、両国間の防衛協力・交流の重要性を確認し、2018年に署名された『防衛協力・交流覚書』に基づき、幅広い分野で協力を推進していくことで一致」したと書かれている他、「第2回日ウクライナ安保協議」及び「防衛当局間協議」の本年後半の開催、「シーブリーズ2021」演習(編集注:多国間軍事演習)への日本のオブザーバー参加、ウクライナ軍衛生当局者の訪日について進めていくことで一致したと書かれている。
また両大臣は、両国の防衛産業の状況や防衛装備・技術分野における取組についても意見交換を行った。
発表によれば、加えて、両大臣は、特に東・南シナ海情勢などの地域情勢について意見交換を行い、「力を背景とした一方的な現状変更の試みや緊張を高めるいかなる行為にも強く反対することで一致」、とりわけ、「中国の海警法に対する深刻な懸念について認識を一致」した。
タラン国防相からは、ウクライナ情勢についての説明、占領された領土を取り戻し、領土の一体性を回復するための取組の重要性への言及があった。その他両者は、北朝鮮情勢についても協議を行なった。
また同日、岸防衛相は、ツイッター・アカウントにて、今回の会談について報告している。
ウクライナのタラン国防相とテレビ会談。対面での会談が叶わず残念でしたが、約2時間に渡り意見交換を行いました。両国が直面する力による一方的な現状変更の試みに反対し、世界に発信していく事で一致。中国の海警法と国際法に反する海警船舶の行動への危惧を伝え、更なる防衛協力を呼びかけました。 pic.twitter.com/IZ9dSa4aNi
— 岸信夫 (@KishiNobuo) March 17, 2021
なお、タラン国防相は、16、17日、日本を訪問した。ウクライナ国防相の訪日は今回が初めて。当初、タラン国防相と岸防衛相は、防衛省にて会談を行う予定だったが、タラン大臣の随行者1名から新型コロナウイルスの陽性反応があったとの連絡を受け、会談は、対面式からテレビ式に切り替えられている。