日本からの寄付金等の横領容疑で起訴されたバンコウ・ウクライナ元外務事務次官の勾留決定
公共放送「ススピーリネ」が報じた。
被告は9月30日まで拘置所に留まることになる。
バンコウ被告は、7月27日に国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察(SAP)によって、ロシアによる全面侵攻の開始時にウクライナ対して提供された様々な支援金を横領した容疑が通知されていた。
SAP検察官は、1500万フリヴニャの保釈金を設定した上で同被告を拘置所に拘留することを要請していた。
7月29日の公判時、検察官はバンコウ氏に対する容疑の概要を読み上げた。NABUとSAPによれば、同氏はラミズ・ラマザノウ外務省事務局元局長、NGO「国際協力促進センター」創設者のウラディスラウ・リェズニコウ氏、会計士と共に団体を創設。
捜査側の見立てによれば、団体創設の目的は慈善資金の着服と合法化だという。バンコウ氏は当時外務事務次官という地位のために、このNGOの創設者にはなれなかったことから、同団体を実質的にコントロールし、外務省との協力覚書を通じて同団体のロビー活動を行っていた。このNGO「国際協力促進センター」の口座に国際支援の資金が送金されることになっていたという。
検察官は、捜査によりこの汚職スキームの3つが明らかになったと発言した。
1つ目は、日本からの寄付金の着服だという。検察によれば、在日ウクライナ大使館の口座へ1720万フリヴニャを超える寄付金が入金されたことを利用し、バンコウ氏が報告順序の変更を主導し、自らがコントロールするNGOへ資金を送金するよう指示を出したという。当初、この団体はウクライナ軍及び市民への支援を装って50万米ドルの送金を2回受領し、これらを完全に現金化させたという。
2つ目は、「リニュー・デモクラシー・イニシアティヴ(RDI)基金」との不正工作だという。検察側の主張によれば、米国の団体への信用を得た上で、バンコウ氏は事務次官の役職を明記してNGOに代わって助成金協定に署名。捜査によれば、共犯者たちは実際のサービス提供者を関与させたものの、文書上でそれらサービスの価格を著しく水増しさせていたという。そして、架空の報告を通じて、総額70万米ドルの助成金のうち約800万フリヴニャが現金に変換されたという。
3つ目は、資金の合法化(資金洗浄)だと説明された。検察側は、資金の引き出しは3段階で行われたと伝えた。コントロールされている企業「ウェスト・エステート」を通じて350万フリヴニャ、7名の個人事業主の口座を経由して架空の会社へ2000万フリヴニャ、さらに現金化手数料の支払いを伴う換金センターと4〜5の有限会社の連鎖を通じて1370万フリヴニャの合法化が試みられたという。
これに先立ち、7月27日、NABUとSAPは、ロシアによる全面侵攻の開始時にウクライナ支援に割り当てられた外国人やドナーの資金を着服した容疑を、外務省元事務次官率いるグループの構成員に通知していた。
同日、ウクライナ外務省広報室は、同省は同捜査においてNABUに協力を提供していると発表していた。
写真:在ルーマニア・ウクライナ大使館