ゼレンシキー宇大統領、キッシンジャー氏とニューヨクタイムズ紙社説を1938年の宥和政策だと批判

ゼレンシキー宇大統領、キッシンジャー氏とニューヨクタイムズ紙社説を1938年の宥和政策だと批判

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は25日、ウクライナに対してロシアへの領土面の譲歩を求めるキッシンジャー元米国務長官やニューヨークタイムズ紙の社説に関して、1938年のナチスドイツに対する宥和政策を喚起した。

ゼレンシキー大統領が25日夜の動画メッセージの際に発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシアがどんなことをしようとも、『ロシアの利益を考慮しよう』と言う者が出てくる。今年もダボス(会議)でそのようなことが聞かれた。何千ものロシアのミサイルがウクライナに着弾しているのに。何万ものウクライナ人が殺されているのにだ。ブチャやマリウポリなどが起きたにもかかわらずだ。町が破壊されたのに。ロシアが『濾過キャンプ』を作り、そこでコンベアーの上に人を乗せたかのように、殺し、拷問し、強姦し、侮辱しているにもかかわらずだ。ロシアはそれを全て欧州にて行っているのに」と強調した。

またゼレンシキー氏は、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が、ロシアを欧州から疎外しないように、ロシアにウクライナ領の一部を明け渡すべきかのような発言を行ったことを喚起した上で、「キッシンジャー氏のところには2022年ではなく、1938年のカレンダーがあり、またダボスではなく、当時のミュンヘンで観衆と話をしていると思っているのではないか、という印象が湧く。ところで、実際の1938年、キッシンジャー氏の家族はナチスドイツから救われている。彼が15歳の時だ。彼はそれをよく理解しているはずだ。彼は(当時)、『ナチスから身を守るべき』『ナチスと戦うべき』ではなく、『ナチスに適応すべき』などということは言わなかったであろう」と強調した。

その他同氏は、西側メディアの中に、あたかもウクライナが、平和との引き換えに領土を明け渡すという「困難な妥協」を受け入れねばならないかのような「病的症状の」社説が現れ始めたと指摘した。

同氏は、「もしかしたら、ニューヨークタイムズ紙は1938年も似たようなことを書いていたのかもしれない。しかし、思い出してもらおう、今は、2022年である」と発言した。

さらに同氏は、それら全ての地政学的発想でもってウクライナに対してロシアに何かを明け渡すという話について、それらの「偉大な地政学者」たちは、彼らが「平和の幻想」との交換として、ロシアに明け渡すことを提案している領土にて暮らしている、何百万人の普通のウクライナの人々のことを見ないようにしていると指摘した。

同氏は、ロシアの全面的侵攻が始まって以降も、世界はウクライナの勇敢さに対する準備ができていないと述べ、なぜなら、世界の多くの人々にとって、ロシアのことを考慮に入れることには慣れていても、ウクライナのことを考慮に入れることは慣れていないからだとの考えを示した。

その上で、ゼレンシキー氏は、「だから私は、世界の場に注意を向けており、その他の国の議員、国会、国民に呼びかけを行い、専門家コミュニティや記者や学生と対話をしているのだ。私たちは、ウクライナを考慮に入れるということに世界をしっかり慣れさせるために、あらゆることを行うべきだ。独裁者との更なる面会に急ぐ人々の利益によって、ウクライナ国民の利益が覆い隠されてしまわないように」と強調した。

これに先立ち、キッシンジャー元米国務長官がダボス会議において、ウクライナはロシアに対して領土の一部で譲歩すべきだとし、欧米諸国はロシアの敗北を期待すべきではないなどと発言していた。

また、米ニューヨークタイムズ紙は、ウクライナは戦争終結のためにロシアに領土面で妥協せざるを得なくなるだろうと予想する社説を掲載していた。

ウクライナのクレーバ外相は、これらに対して、ウクライナはプーチンに譲歩しない、なぜなら2014年の妥協は、現在の全面的侵略の開始によって破綻したのであり、今後そのような妥協が成功するチャンスはないのだと指摘している。


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