EU大使、IOCによるウクライナ選手失格の決定を強く批判
国際オリンピック委員会(IOC)が「追悼ヘルメット」を装着するウクライナのスケルトン選手ウラディスラウ・ヘラスケヴィチ氏を失格とする処分を下したことにつき、欧州連合(EU)のマテルノヴァ駐ウクライナ大使は12日、ロシアの侵略は前回の冬季オリンピック期間中に始まり、現在も続いており、ヘラスケヴィチ氏がその犠牲者をミラノ・オリンピックで想起させたのだとし、IOCの決定に対して、怒りと失望を表明した。
マテルノヴァEU大使がフェイスブック・アカウントにコメントを掲載した。
マテルノヴァ氏は、ギリシャで生まれた古代オリンピックの理念は国際的な休戦にあったことを指摘した。同氏は、「それは単にスポーツについてだけでなく、戦争を止めるための政治的・宗教的なメカニズムでもあった。現代の国家は、地政学的な利益をはるかに強く信じているようだ。オリンピック休戦はもはや義務ではない。近代オリンピックの歴史を掘り下げるまでもなく、ロシアがソチ・オリンピックの最中にウクライナを攻撃した2014年を思い出すだけで十分だ」と述べた。
また同氏は、その文脈において、ロシアによって殺害されたウクライナのアスリートや友人たちの姿を描いたヘルメットを被ってトレーニングを行っていたヘラスケヴィチ氏の振る舞いに、より一層の感銘を受けたと指摘した。
同氏はそして、「彼は世界に対して、戦争が続いていること、そこには名前と顔があるということを思い出させたかったのだ。彼はオリンピックから追放された。20人のロシア人とベラルーシ人選手に中立の旗の下での競技を許可したのと同じオリンピック委員会の代表者たちによって追放されたのだ。(中略)彼らはヘラスケヴィチ氏を排除した。しかし、世界はウクライナにおける戦争から目を閉じることはできない。ここでは人々が凍え、命を落としている。私は憤りを感じている。ウクライナに栄光あれ。ヘラスケヴィチ氏に栄光あれ」と強調した。
これに先立ち、国際オリンピック委員会(IOC)は、ウクライナのスケルトン選手ウラディスラウ・ヘラスケヴィチ氏を、2026年冬季オリンピックの1回目滑走を前に失格としていた。