「私には選挙の準備があるが、重要な条件は安全と法律」=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、自身には選挙実施の準備があるが、選挙の合法性と実施可能性は安全と法改正にかかっていると強調し、米国と欧州とウクライナ最高会議(国会)に対して、戒厳令化で選挙実施のための条件を作り出す支援をするよう要請した。
ゼレンシキー大統領が記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「何より、私はこの問題(編集注:トランプ氏との間で選挙の問題)を議論してこなかったと言いたい」と指摘した。
同氏はまた、ウクライナにおける選挙の問題は何よりもウクライナ国民にかかっているとの見解を示した。その際同氏は、「パートナー諸国に対する敬意はあるものの、これはウクライナ国民の問題であり、他国の国民の問題ではない」と述べた。
そして同氏は、「率直に言うと、そのような問題があるのであれば、私は選挙への準備はできている。私たちが権力にしがみついているだとか、私が個人的に大統領の座にしがみついているから戦争が終わらないというようなほのめかしを聞いたことがある。正直なところ、それは全くもって不適切な話だ」と強調した。
同氏は同時に、選挙を実施するための重要な要素は安全だと強調した。その際同氏は、「選挙をどのように実施するのか? 攻撃やミサイルの下でどのように行うのか? 軍人については? 彼らはどのように投票するのだ?」と問いかけた。
また同氏は、もう1つの重要な要素は、選挙の実施に関する法的根拠の正当性だと指摘した。
同氏はその点につき、「その問題は現在、米大統領や私たちのパートナーたちによって提起されているので、私は非常に手短に答えようと思う。私は選挙への準備がある。それどころか、私は米国に対し、公然と支援を求める。欧州の同僚たちと協力して、選挙の実施のための安全を確保することは可能だろう。そうすれば、次の60日から90日の間に、ウクライナは選挙実施の準備ができる。私は個人的にはその意志と準備がある」と強調した。
さらに同氏は、ウクライナ最高会議の議員たちに対し、戒厳令化の選挙に関する法律をはじめとする、法改正の可能性に関する立法面の提案を行うよう要請した。
同氏はそして、「私はパートナーたちからの提案を待ち、私たちの議員からの提案を待ち、そして選挙に臨む準備はできている」と発言した。
これに先立ち、米国のトランプ大統領は、ウクライナはロシアとの戦争が続く中でも大統領選挙を実施する「時が来た」と主張していた。他方、9日、欧州委員会のヒッパー報道官は、ブリュッセルでの記者会見時、欧州委員会はウクライナにおける選挙は、適切な条件が生じた後でのみ実施可能だと考え続けていると発言している。
写真:大統領府