ウクライナの電力不足続く 産業向け電力供給制限継続

ウクライナの電力会社「ウクルエネルホ」は10日、ロシア軍の電力システムへの攻撃によって生じた電力不足と電力輸入が不十分であることから、同社は、産業向け電力制限の量を拡大せざるを得ないと発表した。

ウクルエネルホ社がフェイスブック・アカウントで発表した

発表には、5月9日に電力輸入がなかったため、夜間ウクルエネルホ社の管理センターが産業向け電力制限のスケジュールを23時から翌10日朝7時まで延長せざるを得なかったと書かれている。

そして同社は、「今日もまた、産業消費者向けの電力制限スケジュールが18時から翌日7時まで適用される。消費量増加に伴い、緊急停電適用の可能性がある」と伝えた。

さらに、9日19時から22時までと、10日6時から7時までの間、同社は、隣国の電力システムから緊急支援を利用したと書かれている。また、9日11時から16時にかけて、ポーランドの電力システム管理会社の要請で、ウクライナはポーランドから余剰電力を受け取ったという。

10日、電力輸入はルーマニア、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、モルドバから毎時1万3904MWの量で、0時以降の夜間を除き、一日中行われることが予定されているとのこと。

これに先立ち、8日、ロシア軍は、ウクライナのヴィンニツャ州、ザポリッジャ州、イヴァノ=フランキウシク州、キロヴォフラード州、ポルタヴァ州、リヴィウ州の電力インフラ施設をミサイルと無人機で大規模に攻撃した。これにより、DTEK社の3つの火力発電所や、住宅、教育施設、病院が破損している。

ウクライナのシンクタンク「ラズムコウ・センター」のヴォロディーミル・オメリチェンコ・エネルギー問題代表は、現在ウクライナの発電能力の70%以上が破壊・破損されたか、占領されていると伝えており、国民による省エネの必要性を訴えている