臨時海路を通る民間船がウクライナ南部オデーサ海洋港から初めて出帆

ロシアが黒海穀物合意を離脱してから、ウクライナが発表した民間船向けの臨時海路を利用する最初の船がウクライナ南部オデーサ海洋港を出帆した。

ウクライナ・インフラ省(復興省)がテレグラム・チャンネルで伝えた

発表には、「コンテナ船『ジョセフ・シュルテ』(香港船)がオデーサ港を出帆し、民間船のために定められた、ウクライナの黒海海洋港と繋がる臨時回廊を進んでいる」と書かれている。

また同省は、同海路は何よりも、ロシアの全面侵攻期にウクライナの海洋港「チョルノモルシク」「オデーサ」「ピウデンニー」に停泊していた船舶の脱出のために用いられると伝えた。

また、同省は、ウクライナ軍海軍の指示に従い、この民間船用臨時海路は2023年8月8日から効力を有しているとし、またウクライナは同海路を国際海事機関(IMO)に提案済みだと伝えた。さらに、同省は、IMO理事会はウクライナの自由な商業航行の権利を認めており、ロシアに対してどのような脅迫も止めて、国際条約を順守するよう呼びかけていると指摘した。

なお、これ以前にオデーサ港から黒海穀物合意の一環で民間船が出帆したのは7月16日が最後だという。ロシア連邦がこの合意を破綻させた後に、ウクライナの農産物輸出を妨害しようと、同国の港湾インフラを体系的に空爆していることが喚起されている。

これに先立ち、ロシア軍は、16日未明にウクライナ南部オデーサ州を攻撃。無人機によりドナウ川の河川港の倉庫や穀物庫が損傷した

ロシア連邦は7月17日、トルコ、ウクライナ、国連に対して、ウクライナの海洋港からの同国の農産物を安全に輸出させるための黒海穀物回廊合意の効力を延長しないことを通達した。

その後ロシア軍は、ウクライナの南部の黒海に面する海洋港やドナウ川の河川港の港湾インフラや穀物庫を繰り返し空爆している。

8月2日、ウクライナのクブラコウ復興担当副首相兼地域発展・インフラ相は、ロシア軍がイラン製自爆型無人機にてウクライナ南部のドナウ川沿い河川港のインフラを攻撃し、4万トンの食料品が失われたと報告していた。