ゼレンシキー宇大統領、「ウクライナからの穀物」イニシアティブの開始を発表 最貧国へ穀物提供へ

ウクライナのゼレンシキー大統領は15日、G20首脳会談でのビデオ演説の際、世界の貧しい人々に食料を届けるイニシアティブ「ウクライナからの穀物(Grain From Ukraine)」を紹介し、G20各国に参加を呼びかけた。

ゼレンシキー大統領がバリで開催されているG20首脳会談の参加者に対してビデオ演説にて呼びかけを行った

ゼレンシキー氏は、貧しい人々へ食料支援を行うイニシアティブ「ウクライナからの穀物」がすでに始まったとし、G20首脳会談参加国に合流を呼びかけた。同氏はまた、同イニシアティブの一環で、最初の2万7000トンの小麦を載せた船「Nord Vind」がエチオピアへ向かって出発したとし、それは約10万人の人々が1年食事できる量だと指摘した。

さらに同氏は、「ウクライナからはそのような船がたくさん出港し得るのだ。つまり、貧しい国々の多くの人々が飢餓から救われる。ウクライナは今年、4500万トンの食料を輸出できる。その大半を最も苦しんでいるところに向かわせようではないか」と強調した。

同氏は、このイニシアティブには、どの国も何らかの貢献をもって参加できるとし、そうすることで「飢餓と食糧危機への勝利の共同創設者となれる」と訴えた。

その他同氏は、パートナーたちに対して、黒海穀物回廊の対象を現在のウクライナ南部オデーサ州の3港から、さらにミコライウ州のミコライウ港とオリヴィヤ港も合意対象とするよう提案した。

これに先立ち、日本政府は11日、ソマリアの深刻な食料危機に対する支援として、ウクライナ産小麦のソマリアへの輸出を通じた総額1400万ドルの支援の実施を決定したと発表していた