米欧はウクライナの穀物を世界市場へ届ける支援手段を模索している=バイデン米大統領

バイデン米大統領は、コロナ危機とロシアのウクライナへの全面的侵略が現在の世界における燃料と食料の価格上昇の主要な原因だと述べ、米国は欧州とともに、ウクライナからの穀物の供給を実現する手段を模索していると発言した。

10日、バイデン大統領がホワイトハウスでの演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

バイデン氏は、「インフレの1つ目の原因は、もちろん、パンデミックだ。(中略)もう一つの原因は、プーチンのウクライナにおける戦争だ。私たちは、3月の全てのインフレの60%がガソリン代の上昇と結びついていたのを見ていた」と発言した。

また同氏は、ロシアの戦争が食料価格の上昇も引き起こしたとし、「なぜなら、ウクライナとロシアは小麦ととうもろこしの供給を保障する世界で最大級の穀倉地帯の国なのだが、現在は、実質的に完全に止まってしまっている」と指摘した。

同氏は、ウクライナは2000万トンの穀物を倉庫に有しており、これを世界市場に運ぶための手段を見つけようとしていると述べ、それが実現すれば世界の食料価格が下がる可能性があると指摘した。本来ならその輸出はずっと前に始まっていなければならないのだが、ロシアの侵略によって妨害されているという。

その上でバイデン氏は、「そのため私たちは、欧州のパートナーたちとともに、その食料が世界市場へ運ぶための作業をしている。それが価格を下げるのに役立つ可能性がある。しかし、それは、プーチンとロシアのウクライナへの侵攻のせいで、それは困難なのだ」と強調した。

バイデン氏は、パンデミックとプーチンの戦争は米国市場だけでなく、グローバルな影響をもたらしているとし、「それが、私たちが世界各国で歴史的なインフラを目にしている理由だ」と説明した。

写真:Getty Images