ウクライナ中央銀行、ロシアの決済システム「ミール」との提携停止を諸国に呼びかけ

ウクライナの中央銀行は9日、諸外国に対して、ロシアの決済システム「ミール」のクレジットカードを通じた取り引きを不可能とするよう要請した。

ウクライナ中央銀行広報室が発表した

発表には、「中央銀行は、アルメニア、カザフスタン、タジキスタン、ベトナム、トルコ、キルギス共和国の中央銀行幹部に対して、自国領内にて決済システム『ミール』の決済カードを通じたあらゆる取り引きを停止するよう要請した」と書かれている。

中央銀行は、具体的に「ミール」カードを用いたATMや信用紹介端末の利用の停止や、電子取り引きや個人間送金の際に同カードを利用できなくするようにする要請だと説明した。

また、中央銀行は、今回の要請は、金融分野における侵略国ロシアへの国際的圧力強化が必要となっていることが理由だと指摘し、「中央銀行は、ロシア金融分野に対して圧力をかけるためのあらゆる可能な手段を最大限利用することを主張したいと思っている。ウクライナへの軍事侵略への資金拠出は、止められなければならない。正にそのために、私たちは、国際パートナーたちによる私たちのイニシアティブへのサポートを強く期待している」と伝えた。

これに先立ち、2月24日に始まったロシアの対ウクライナ侵略を受け、米カード最大手のビザと2位のマスターカードは3月5日、ロシアでのカード決済事業を全面的に停止すると発表した。これに続き、6日、アメリカン・エキスプレスも、ロシアと同盟国ベラルーシでの全事業の停止を発表。8日、日本のカード大手JCBも、ロシアでの業務を停止すると発表し、米他社と足並みを揃えた。なお、JCBは、2016年に「ミール・JCB」という、ロシア国内では「ミール」、国外ではJCBとして使える機能を持つブランドを立ち上げていた。