トランプ氏のウクライナ領土譲歩要求は「行き過ぎ」=ピストリウス独国防相
ドイツのピストリウス独国防相は27日、同国は新政権下になっても、たとえ今後米国からの支援に変化があったとしても、変わらずウクライナを支援すると発言した。
ピストリウス国防相(発言時点では大臣代行)が、ARD局の出演時に発言した。
ピストリウス氏は、「もしウクライナが敗れ、プーチンがこの戦争に勝利すれば(中略)それはNATO領域への最大限の脅威となる。(中略)よって、これはウクライナへの連帯だけでなく、欧州の平和と安全保障に関わる問題でもある。我々は支援し続ける。それは連立合意にも明記されていることだ」と指摘した。
また同氏は、トランプ米大統領が要求しているウクライナによる領土譲歩については、それは行き過ぎた要求であり、事実上の降伏となると指摘した。その際同氏は、 「ウクライナは、(編集注:そのような譲歩を)しようと思えば、約1年前に降伏してそれ(編集注:そのような結果)を実現できていたのだ」と同氏は説明した(編集注:ウクライナが今まで譲歩・降伏をしていない理由があるという意味)。
次期首相に就任する予定のメルツ氏が、キーウへの長距離ミサイル供与の可能性に言及していることについては、ピストリウス氏は、そのような決定が下される可能性は低いとの見方を示した。
その際同氏は、「『タウルス』については全て話されている。それによって戦争の結果は変わらない」と述べた上で、ウクライナにより必要なのは、インテリジェンス情報の提供だとの認識を示した。
なお、ゼレンシキー大統領はこれまで繰り返して、ウクライナは法的にクリミアを法的にロシア領とは認めないと発言している。
米国のトランプ大統領は23日、ゼレンシキー大統領が前日にウクライナは法的にクリミアの占領を認めないと発言したことを「和平交渉にとって有害だ」と発言していた。