ウクライナ国家汚職対策局、最高裁判所汚職事件で新たな容疑を通知
ウクライナの政権高官の汚職犯罪の捜査に特化して活動する国家汚職対策局(NABU)は19日、2023年にクニャゼウ元最高裁判所裁判長が起訴された汚職事件において、新たに最高裁判所の現職裁判官3名、退職した裁判官1名に容疑を通知した。
NABUがテレグラム・チャンネルで公表した。
報告には、「NABUと特別汚職対策検察(SAP)は、最高裁判所元裁判長が関与した大規模な汚職事件における容疑者の範囲を拡大した。捜査データによれば、最高裁判所大法廷の裁判官でありながら、グループ『フィナンシ・イ・クレディト』の所有者の利益になる決定を採択することと引き換えに不法な利益を受け取った、最高裁判所の現職裁判官3名、退職した最高裁判所裁判官1名である」と書かれている。
また、NABUは本事件の概要を喚起した。最高裁判所大法廷の裁判官の権限には、最大級に複雑な訴訟の審理が含まれている。その1つが、実業家でグループ『フィナンシ・イ・クレディト』の所有者が2002年に取得したポルタヴァ採鉱・選鉱コンビナートの株式40.19%の売買契約を、元株主たちが不服として訴えた紛争であった。
第一審裁判所は訴えの却下を決定したが、2022年に控訴裁判所はこの決定を取り消し、契約を無効と認めた。
訴訟の複雑さから、破棄審におけるその後の審理は最高裁判所大法廷の裁判官らによって進められていた。
NABUは、「株式の喪失を回避するため、この実業家は2023年3月から4月にかけて、仲介者を通じて270万ドルを最高裁判所のいわゆるバックオフィスのメンバーである弁護士に渡し、その弁護士が『必要な』決定の採択に向けて、これらの資金を最高裁判所の元裁判長及び裁判官らに渡すようにした」と説明した。
なお、19日、NABUは最高裁判所における汚職事件捜査の一環で、最高裁判所の複数の現職や元裁判官の職場、自宅、車両で捜査行動を実施していた。
2023年5月、国家汚職対策局(NABU)は最高裁判所の幹部、及び裁判官らによる270万ドルの不法な利益の受領スキームを摘発していた。
捜査データによれば、贈収賄は、2023年4月19日に最高裁判所大法廷が下した、実業家ジェヴァホ氏が株主の1人であるフェレクスポ社による2002年のポルタヴァ採鉱・選鉱コンビナートの株式パッケージ取得の合法性を認める事件での決定に対するものであった。
同年5月18日、高等司法評議会はクニャジェウ元最高裁判所裁判長の勾留を許可した。同日、高等反汚職裁判所はクニャジェウ容疑者に対し、1億730万フリヴニャの保釈金設定を条件とする勾留の拘束措置を選択。その後、保釈金の額は1816万8000フリヴニャに減額され、2024年1月31日にこの金額が支払われ、クニャジェウ氏は保釈された。
2024年3月4日、SAPは反汚職裁判所へクニャジェウ容疑者に関する起訴状を送付。2024年7月10日、反汚職裁判所は、クニャジェウ最高裁判所元裁判長への贈賄容疑がかけられているグループ『フィナンシ・イ・クレディト』の所有者ジェヴァホ氏に対し、勾留の拘束措置を選択した。ジェヴァホ氏の広報室は、最高裁判所裁判長や裁判官への贈賄への同氏の関与を否定している。
写真:NABU・SAP