ロシアの目的はドニプロペトロウシク州への侵入、スーミ州の緩衝地帯設置、ポクロウシク制圧=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は27日、全面侵略を続けるロシア軍は、ウクライナ南部ドニプロペトロウシク州の行政境界線を超えるために全力を尽くすだろうと述べ、また北部スーミ方面に約5万のロシア軍戦力を集結させていると発言した。

ゼレンシキー大統領が記者団とのやりとりの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「彼らは、ドニプロペトロウシク州の行政境界線を超えるためにあらゆることを行ってくる。今のところ、彼はうまくいっていない。彼らは、ポクロウシクを制圧したがっており、これまでと同じ行動をとっている。ルハンシク州とドネツィク州は、2014年以来から据えられている彼らの戦略的目的のままだ」と発言した。

また同氏は、ロシアは北部スーミ州で10キロメートルのいわゆる緩衝地帯を創設しようとしていると指摘した。

その際同氏は、「今彼らはスーミ方面に部隊を集結させている。5万人以上だ。私たちは把握している。しかし、そこでは私たちにも成功がある。今日(編集注:記者との会合は27日に行われた)、例えば、チョトキノで8名を拘束した」と発言した。

同氏はまた、ロシアは最も強力な部隊をクルスク方面に集中させていると述べた。その際同氏は、「クルスク州から私たちの部隊を追い出し、スーミ州への進軍行為を準備するためだ。彼らが呼んでいるその、ウクライナへと10キロの深さの緩衝地帯を創設するためだ。私は、彼らはその能力が不足していることを理解していると思っている。今はそうだ(編集注:敵の能力不足)。ただし、クルスク州では、私は、私たちの部隊が正しく行動したと思っている。クルスク州で1方面から撤退し、他の方面から入った。そこには、私たちの良い活動成果がある。つまり、ロシア軍が戦争を終わらせたがらない限り、ないし、少なくとも最初の一歩である停戦を望むようにならない限り、私たちはそこにいる」と発言した。

さらに同氏は、ロシア軍は常に攻勢行動をとっているが、しかし大型作戦の遂行はできていないと指摘した。

そして同氏は、「彼らは、クルスク方面から準備していたスーミ方面における部隊の集結を、私たちの対応行動を受けて実現できていない。ポクロウシク方面、コスチャンティニウカ方面もだ。私たちには問題があるが、成功裡の戦闘もある。過去48時間、私たちは、コスチャンティニウカ方面で彼らを4キロ追い返した。つまり、彼らはポクロウシク方面から自軍全てを完全には外せないのだ。同様に、彼らは、ポクロウシク制圧のために同方面へと全ての部隊を移動させることはできていない」と発言した。

その他同氏は、ザポリッジャ方面とヘルソン方面の情勢については、「私たちは、ザポリッジャ方面に関する情報を見ている。彼らの中には不変の目標がある。彼らには、渡河ヘルソン攻勢作戦について話し続けている夢想家もいる。しかし、それを話しているのは、どれだけそこで人が死のうか構わないロシア人だ。彼らが正気なのかどうかは私には確信がないが。渡河は、私たちは、ヘルソン州では現在全く不可能だと理解している」と強調した。