赤十字はオレニウカ収容所へアクセスする努力をする=報道官

国際赤十字委員会(ICRC)は、ウクライナ人が拘束されているロシア占領下のオレニウカへのアクセスを得る努力をすると発表した。

29日、ICRCのウラセンコ広報担当が記者団に対して報告した。ラジオ・リバティが報じた

ウラセンコ氏は、「私たちはその状況をもちろん知っており、自分の目で何が起きたのか、そこにいる人の誰かが私たちの支援を必要としているかどうかを見て、確認するために、その現場へのできるだけ早いアクセスを要請した」と発言した。

また同氏は、ICRC代表者が収容所にアクセスできたとしても、ICRCは安全を考慮して帰還するまで発表は行わないとも指摘した。

これに先立ち、ウクライナ軍参謀本部は、29日の被占領下ドネツィク州オレニウカにあるウクライナ人捕虜の収容されていた収容所に対する砲撃はロシア軍による意図的なものだと発表していた。

ウクライナの検事総局は29日、死者約40名、負傷者130名の被害を出した同日のドネツィク州オレニウカへのロシア連邦の砲撃についての刑事捜査を開始した。

なお、ドネツィク州オレニウカには、占領政権による濾過施設(編集注:厳重な人物調査を行う場所)が2つあることが知られていた。これら施設には、元治安機関職員、親ウクライナ活動家、調査にて「望ましくない」人物と認定された市民、マリウポリ市民の避難支援を行っていたボランティアなどが拘束されていた他、マリウポリ防衛戦に参加し、その後投降したウクライナ軍人も収容されていることが知られていた。

ウクライナ軍参謀本部は5月17日、ウクライナ最高軍司令部が東部マリウポリ製鉄工場「アゾフスタリ」に駐留する部隊の指揮官たちに対して、人員の命を守るよう命令を出したと発表していた。これを受け、264名の軍人をロシアに占領されている自治体に避難する作戦が実行された。その際、参謀本部は、内211名の軍人は人道回廊を通じて被占領下のオレニウカへと避難させられたとし、彼らの今後のウクライナ政府管理地域への帰還は、(被拘束者)交換手続きを通じて行われると説明していた。