世界最大輸送機「ムリーヤ」の再建は「ウクライナのイメージの問題」=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は19日、ロシア軍により破壊されたアントノウAn-225「ムリーヤ」を再建することは、ウクライナの国家としてのイメージの問題に関わることだと指摘した。

ゼレンシキー大統領がウクライナ国内高等教育機関の学長や学生とのオンライン会合の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「航空機『ムリーヤ』については難しい話だ。1機目がまだ生きていた時、私たちは2機目を建造したかった。そして、(建造のために)私たちには現代の条件下で8億米ドルが必要だった。それは非常に多くの資金だ。私は、トルコ大統領やその他の人々に呼びかけた。2機目のムリーヤを建造しよう、一緒に利用しようと。それは、素晴らしい、野心的な考えだった。しかしながら、私たちは資金を見つけられなかった。しかし、本件はもはや、建造という話だけではなく、野心についての話となっている」と発言した。

また同氏は、本件につき、国営防衛企業「ウクルオボロンプロム」やアントノウ社一同が呼びかけを行ったと伝えた。

同氏は、「それは私たちの国のイメージの問題、この戦争で亡くなった全ての素晴らしい専門的飛行士たちの記憶の問題だ。彼らは、あらゆることを行った英雄的な人々だ。彼らがマリウポリの人々の命を何週間守ったか、誰がアゾフスタリにいたか、今は話すことができる。武器や水や食べ物を運ぶために、自らの命を捧げた飛行士がどれだけいたか。どれだけの負傷者をそこから運び出したか。しかし、多くの飛行士、多くのそのような人々が英雄的に亡くなったのだ。そのため、そのような英雄を記憶するために『ムリーヤ』を建造することは、国家の立場として正しいのである」と強調した。

これに先立ち、2月27日、ロシア軍は、27日、ロシア軍は、ウクライナが保有する世界最大の輸送機An-225「ムリーヤ」(編集注:ウクライナ語で「夢」の意)を破壊した

ゼレンシキー大統領は、同日夕刻の記者会見にて、ムリーヤが失われたと伝え、「残念ながら、私たちの『ムリーヤ(夢)』を失った、古い『ムリーヤ』をだ。ただし、私たちは今、新しい夢を築いている」と発言していた。