ロシア軍撤退なき停戦は無意味=ウクライナ政権関係者

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は18日、ロシア軍が撤退しない停戦は受け入れられないものだと考えていると発言しつつ、さらにロシア軍の撤退とは全面的侵攻開始前の地点までの話ではなく、「それより先」までの撤退が必要だとコメントした。

ポドリャク氏がラジオNVへのインタビュー時に発言した

ポドリャク氏は、「私は、ウクライナ領からのロシア軍の撤退のない停戦がどのように可能なのかわからない。それは無意味だ。それは彼らが現在いるコンタクト・ラインに残り続けることを意味するのか? それは不可能だ。それは新しいラインだが、ウクライナにとって受け入れられないものであり、大統領もそのことについてもう何度も話してきた。私たちは、彼ら(ロシア軍)を、彼らが自分の『特別作戦』を始めた領域までではなく、その先までも追い返さなければならない。それはウクライナにとって現在原則的な問題だ」と強調した。

同氏はまた、欧州とウクライナが採択すべき唯一のシナリオは、「鉄のカーテン」シナリオだとし、「ロシアを人類文明からはるか遠くに遠ざけることだ。地理的にではなく、少なくとも、何らかの境界線によってだ」と発言した。

その点で、同氏は、対露制裁の強化が重要だと指摘した。

これに先立ち、ウクライナのマリャール国防次官は11日、ウクライナは完全勝利まで、国際的に認められた国境内の全領土の解放まで戦っていくと発言していた

ウクライナのブダーノウ国防省情報総局局長は、スカイ・ニュースへのインタビュー時に、ウクライナにおける戦争は年内に終わり、現在ロシアが一時的に占領している領土は全てウクライナ政権のコントロール下に戻されるだろうと発言していた

同時に、ゼレンシキー大統領は3月27日、ロシア軍の撤退については「譲歩的領土までの撤退。それはつまり、2月24日、侵攻前までの状態。そこまで戻らせよう」と発言し、ロシアを完全に領土から撤退させることは、「第三次世界大戦をもたらす」とし、2014年から占領されているクリミアとドンバスの奪還は協議により返還を目指す意向を示していた

インテリジェンス情報の知識のあるNATOの軍当局者は、NATO内では、戦局がウクライナ側に著しく有利となる時期と、ウクライナには、2014年にロシアに奪われたクリミアとドンバス地域を奪還する能力があるかという点で議論が行われていると述べている