約9割のウクライナ国民「紛争の凍結でロシアの侵攻は止まらない」=世論調査
15日、ウクライナの外政シンクタンク「新欧州センター」のソロドキー所長が、同センターの発注で行われた世論調査「外政と安全保障 ウクライナ社会の意識2025」の結果を発表した。
結果では、「前線凍結の場合にロシアは短期間の休止の後で再びウクライナを侵攻すると思うか」との設問に対して、回答者の86.7%が「そう思う」と回答。回答者のわずか9.5%のみが、凍結がより長期的な平和を確保する可能性があると予測した。
センターの専門家たちは、この結果から、戦争の「凍結」シナリオが長期的な平和への現実的な道としてウクライナ社会には受け入れられていないと指摘している。

さらに結果を見ると、ロシアとの和平交渉に関するウクライナ社会の立場は引き続き強固であることが見えてくる。回答者のほぼ3分の2(64.9%)は、ウクライナは西側諸国から安全の保証を得られないならば、交渉に進むべきではないと考えている。この数字は2024年(64.1%)と比較して、実質的に変化していない。回答者のほぼ3分の1(30.7%)は、安全の保証がなくても交渉することを支持している。概して、ウクライナ国民の間では、「交渉のための交渉」に対して、懐疑的な姿勢が引き続き優勢であることが見られる。
今回のイベントにオンライン中継でコメントしたヘトマンチューク駐NATOウクライナ大使は、上述の戦争が凍結された場合のロシアの行動予測に関する設問への回答結果について、それはウクライナ社会が「ブダペスト覚書」と「ミンスク協議」(編集注:2014〜2022年のウクライナとロシアの間の紛争解決協議)の両方から、どれほどトラウマを負っているかを示すものだとし、信頼できる安全の保証の重要性に関する議論において、追加的な論拠を提供するものだと指摘した。
今回の世論調査は、インフォ・サピエンス社が新欧州センターの発注により、2025年11月5日から26日の期間に実施されたもので、1000人が回答したという。調査は、携帯電話番号のランダムサンプリングで、CATI方式で実施。サンプルは、全面侵攻前の性別、年齢、地域、居住地の規模に基づいて、16歳以上のウクライナの人口を代表しているという。理論的誤差は最大で±3.1%。この調査は、一時的被占領下クリミア自治共和国、セヴァストーポリ市、ドネツィク州、ルハンシク州及びその他被占領地、ならびにウクライナの携帯電話通信のない地域では実施されなかったとのこと。
同世論調査の全ての結果はオンラインで公開されている。