
大統領府前で約1000人の市民が活動家解放求め抗議
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
参加者たちは、「ステルネンコ氏の解放を」「政治囚を解放せよ」などと書かれたプラカードを掲げた。

写真:タラス・ヴォロディーミル/ウクルインフォルム
大統領府前には、治安機関が柵を作り、抗議者が近寄れないように警備に当たっていた。
ステルネンコ氏の弁護士、ヴィタリー・コロミイェツ氏は、「なぜ大統領の下に来たか。大統領が誰の側についているのか理解するためだ。彼が旧ソ連の政治言説に乗る恥ずべき政治家の側にいるのか、それとも国のための未来を見ているのか、を知るためだ」と発言した。
また抗議中、自宅軟禁中のステルネンコ氏本人と電話が繋がると、ステルネンコ氏は月曜日の控訴裁判にてどのような判決が下されるかわからないと発言した。
同氏は、「私たちはもう恐れないのであって、数年前とは全く違う国に私たちは生きている。隣国の全体主義国家では体制が人権を抑圧しようとしているし、私たちのところでもそのようなことはあちこちで起きているが、私たちと隣国との決定的な違いは、私たちは恐れないこと、『ニー(いいえ)』と言わなければならない時にそう述べることを恐れないことであり、通りに出ることを恐れないことにある」と発言した。
抗議参加者の大半は、午後7時過ぎには解散した。
これに先立ち、2月23日、オデーサ市プリモルシキー地区裁判所が、元右派セクター・オデーサ支部代表のセルヒー・ステルネンコ氏に関する誘拐事件の裁判につき、同氏に7年3か月の禁錮と資産半分の接収という有罪判決を言い渡していた。
その際検察側は、ステルネンコ氏がリマン地区住民セルヒー・シチェルビチ氏を誘拐し、蛮行を行い、また違法に銃器を保管していた容疑で、8年の禁錮と全資産の接収を求刑していた。これに対して、ステルネンコ被告は、同犯罪への自身の関与を否定しつつ、検察が根拠として提示したものは、セルヒー・シチェルビチ「行動信頼党」地区議員による、無根拠な発言と住居内で捜査官が見つけた武器のみであるとし、本件には十分な証拠が提示されておらず、同捜査・判決を政治的動機にもとづいたものだと批判していた。3月26日には、同氏の弁護士が控訴を申し立てている。
控訴判決までのステルネンコ氏への予防措置としては当初は拘禁が選択されていたが、4月9日に24時間の自宅軟禁措置に変更されている。
5月14日、オデーサ控訴裁判所が本件の審理を始めている。
なお、これまでにも複数回にわたり、ステルネンコ氏の無実を主張する人々による抗議活動が各地で開催されている。