文化省、ポチャイウ大修道院をウクライナ正教会モスクワ聖庁に利用させる決定の無効化を要求
16日、テルノーピリ州検察が公表した。
発表には、「裁判前捜査により、権利と利益を侵害されたウクライナ文化省の代表者は、ウクライナ司法省に対し、国家登録者の行為を訴えており、ポチャイウ大修道院に属する不動産の利用権を国家登録に加えた決定を無効化するよう要求するとともに、登録者の責任を問うことを求めていることが判明した」とある。
加えて、同検察は、現在、国家登録者が自らの職権を乱用し、ポチャイウ大修道院の不動産の利用権を国家登録に加えたという、違法行為に関し、テルノーピリ州国家警察捜査局が刑事事件裁判前捜査を行っていることを喚起した。
また、同検察は、「裁判前捜査が継続中。捜査手続の管理は、同州検察が行っている」と発表した。
これまでの情報では、11月上旬、複数のマスメディアにて、テルノーピリ州にあるポチャイウ大修道院が違法にウクライナ正教会モスクワ聖庁の利用のために移譲されたとの情報が流れた。同件に関して、ポチャイウ市議会のタラス・パリャニツャ議員が国家登録者の文書を公開。同文書は、2003年に当時首相であったヤヌコーヴィチ(前大統領)が採択した決定を同国家登録者が履行し、ポチャイウ大修道院に属する6つの施設(大聖堂、鐘楼等を含む7000平方メートルに及ぶ資産)を2052年までの利用のためにウクライナ正教会モスクワ聖庁に移譲するという内容であった。同議員が国家登録上にある文書を確認したところ、同大修道院の帰属が2052年1月1日までウクライナ正教会モスクワ聖庁に属することになっており、延長の権利もあることが判明した。
なお、テルノーピリ州のポチャイウ大修道院は、キーウ(キエフ)のペチェルシク大修道院と並び、ウクライナ正教会において最も重要な修道院の一つ。「大修道院」の名を持つ修道院はウクライナとロシアを合わせても5つ(ウクライナに3つ、ロシアに2つ)しかない。