ナヴロツキ・ポーランド大統領、ゼレンシキー氏から最高位の勲章を剥奪 ウクライナ政権高官は反発して勲章返上

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ナヴロツキ・ポーランド大統領、ゼレンシキー氏から最高位の勲章を剥奪 ウクライナ政権高官は反発して勲章返上
ポーランドのナヴロツキ大統領は19日、ウクライナのゼレンシキー大統領からポーランドにおける最高位の白鷲勲章を剥奪する決定を下した。

ポーランド・ラジオが報じた

ナヴロツキ氏は、勲章評議会との協議を経て、ゼレンシキー氏からポーランド最高位の国家勲章を剥奪する決定を下したと発表した。

ポーランド・ラジオは、ゼレンシキー大統領が、ウクライナ特殊作戦軍の特殊作戦軍独立特殊作戦センター「ピウニチ」に対し、「ウクライナ蜂起軍(UPA)の英雄」という名誉称号を授与する大統領令に署名したことを受けて、今回の決定が下されたと説明している。

報道には、「ナヴロツキ氏は、白鷲勲章はポーランド共和国の最高位の信頼のシンボルであり、功績だけでなく、ポーランド社会の基礎に対する尊重も求められるものであると強調した。同氏は、UPAを称えるというウクライナ政権の決定を、憤慨すべきものであり、両国民間の信頼を損なうものだと形容した」と書かれている。

さらにナヴロツキ氏は、「これは歴史の記憶だけでなく、私たちが長年かけて築いてきた信頼に対する攻撃でもある。和解の基礎に対する攻撃だ」と発言したという。

同時に同氏は、今回の決定はウクライナの国民に向けられたものではないと強調した。

なお、今回の決定が効力を持つためには、さらにポーランド首相の署名が必要であるとも指摘されている。

今回のポーランド側の決定を受けて、ウクライナのシビハ外相とブダーノウ大統領府長官はそれぞれ、ポーランドから授与された勲章を返上すると発表した。

シビハ外相は、フェイスブック・アカウントにて、ナヴロツキ大統領によるゼレンシキー大統領からの白鷲勲章の剥奪を受けて、勲章を返上することに決めたと書き込んだ。同氏はその際、「ウクライナ大統領から白鷲勲章を剥奪するという決定は、ポーランドの大統領による戦略的誤りであり、それによって得をするのはモスクワだけだ。ワルシャワで感情が支配的になり、ポーランドの政治家たちが、ゼレンシキー大統領に対してだけでなく、何よりもウクライナ国家に対して、不当で衝動的かつ軽蔑的な措置をとるに至ったことを、私たちは残念に思う。このような無思慮な行動を受け、2022年10月に授与されたポーランドの高い国家勲章である、ポーランド功労勲章の星付きコマンドルスキ十字勲章を保持し続けることは私にはできない。まもなくそれをポーランドに返上する」と表明した。

その際同氏は、問題は勲章にあるのではなく、姿勢にあるのだとし、「私たちは複雑で問題のあるテーマに関してであっても、常に相互尊重のアプローチを支持してきた。そしてそれは、たとえ同意できない場合であっても、私たちが互いの決定を尊重することを前提としている。『同意できないということに同意する』と言われるようにだ」と指摘した。

加えて同氏は、ウクライナは決して今回の対立を望んでおらず、反対に1年半にわたり、両国感の矛盾の解決、歴史問題の非政治化、専門的・学術的作業の再開、ポーランド側の要請に基づく捜索・発掘作業や再埋葬、歴史家会議の活動再開に向けて積極的に取り組んできたと主張した。

同氏はそして、「私たちはこの道のりで多くを達成した。正に今、ポーランド人が求めていたフタ=ピェニャツカでの捜索作業が行われているところだ」と喚起した。

さらに同氏は、これら全ての背景にある現在の緊張激化は逆効果であり、ウクライナ人にとってもポーランド人にとっても不要なものであるという。

シビハ氏は、「解決策を模索する代わりに、ポーランド側がこの対立激化を、受け入れられない不適切なレベルにまでエスカレートさせる決定を下したことを、私たちは残念に思う。いかなる外国の大統領も、私たちに私たちの歴史のことを指図することはできない。いつか冷静な理性が支配的になり、モスクワの共通の敵に対抗する中での両国間の同盟関係にふさわしい、対等な対話にポーランドの友人たちが戻ることを私たちは期待している」と指摘した。

ブダーノウ大統領府長官も、フェイスブック・アカウントで勲章の返上について報告した

ブダーノウ氏は、「残念ながら、ポーランドのナヴロツキ大統領は、ウクライナの大統領から以前授与された白鷲勲章を剥奪するという、私たちの国民に対する非友好的な行為に及んだ」と指摘した。そして同氏は、「これは間違いなくモスクワ侵略国への贈り物であり、侵略国はそれを必ず私たちの両国に対して利用するだろう」と強調した。

また同氏は、「私たちの民族には長年の関係と、英雄的なページも悲劇的なページも含めた、異なる歴史のページがある。しかし、それは深い思索の契機であるべきであり、乱暴な政治的投機の契機であるべきではない。ウクライナは他のいかなる民族に対しても、その歴史をどのように学ぶべきかを指図することはない。したがって、私たちも独自の民族的記憶と尊厳に対する正当な権利を自らのものとして留保する」という。

そして同氏は、「ポーランド大統領のこのジェスチャーは、正義などに関するものではない。なぜなら、例えば白鷲勲章が、イタリアのファシスト独裁者であり、ヒトラーの協力者であったベニート・ムッソリーニから未だに剥奪されていないというのに、一体どのような正義について語ることができるというのだろうか?」と指摘した。

同氏はさらに、「ウクライナは、間違いなくこの出来事に評価を下す。しかし、いずれにせよ、私たちは全ての同盟国との開かれたパートナーシップの原則の上に今後も強固に立ち続ける。ただしそれは、相互尊重の原則に基づいた、対等なパートナーシップだ」と主張した。

加えて同氏は、ウクライナは最も高い代償を払いながら、ポーランドを含む欧州全体の防衛の最前線で今後も戦い続けると述べつつ、「しかし、あらゆるウクライナ人と同じく、私は私たちの市民に対して根拠なく人為的に憎悪の弾みがつけられるのを、ただ傍観し観察しているわけにはいかない。この点から、私は昨年ポーランド大統領から授与されたポーランド功労勲章の金十字勲章を辞退する」と表明した。

そして同氏は、軍人も民間人も含めたウクライナ社会が同じ感情を抱き、その行為を支持するだろうとの述べた。

これに先立ち、5月27日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナ軍特殊作戦軍独立特殊作戦センター「ピウニチ」に対し、「ウクライナ蜂起軍(UPA)の英雄」という名誉称号を付与していた。

これを受けて、ポーランド外務報道官は29日、この決定を非難した。

ウクライナのティーヒー外務報道官は29日、ポーランドとウクライナの歴史には栄光ある出来事も悲劇的な出来事もあるが、UPAの英雄賛美に反ポーランド的な意図はなかったと指摘した。

6月2日、ウクライナのミシチェンコ外務次官とポーランドのウカシェヴィチ駐ウクライナ・ポーランド大使代行は、今回の名称付与をめぐる、ウクライナとポーランドの社会の受け止めにつき協議を行っていた。

写真:ポーランド大統領府


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