ウクライナのEU加盟交渉第1クラスター開始 「巨大な前進」=フォンデアライエン欧州委員長
フォンデアライエン委員長がエヴィアンでのG7首脳会談を前にした記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「本日、私たちはEU加盟交渉の第1クラスターを開始した。これは巨大な前進である。ウクライナは改革において並外れた進展を遂げた。彼らは自らの作業を実行したのだから、今度は私たちも自らの仕事をしなければならない」と述べた。
同氏はまた、第1クラスターの開始は「ウクライナを欧州に定着させる」という、より広範なプロセスの一部だと形容した。
その他同氏は、ウクライナは現在、昨年のG7首脳会談の時よりもはるかに強い立場にあると述べた。同氏はその点につき、「前回のG7では、ウクライナにとって状況がはるかに困難であったことを皆さんも覚えているだろう。今日、ウクライナは異なる立場にある。ウクライナは前線を維持しており、一部の領土を奪還すらしている。ウクライナはロシアの深部にある戦略的目標を攻撃する能力を発達させた。そしてウクライナは、先進的な軍事装備の生産における世界的なリーダーの1つになった」と説明した。
同氏はまた、ロシアはますます制裁の圧力を感じていると指摘した。その際同氏は、「ロシアは緊張と圧力を感じており、私たちの制裁は機能し、深く打撃を与えている。プーチン氏の戦争経済はこれほど弱かったことはこれまでにない」と述べ、ロシアの攻撃が強まる中でも、欧州はウクライナへの揺るぎない支援を継続すると補足した。
同日、コス欧州委員(拡大担当)は、第1クラスターの開始につき、ウクライナがEUへの加盟に向けた道のりで高めているモメンタムを活かすために、政権だけでなく、ウクライナ全社会が団結すべきだと発言した。コス委員がルクセンブルクで開催された第2回ウクライナEU加盟問題会議の後に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
コス委員は、「私たちは皆、この日を長く待っていた。そして、本日はお祝いの日だ。私はその点をもう一度繰り返す。私にとって本日は『メガマンデー』なのだ。自国領土でロシアの最も残酷な蛮行と戦いながら、加盟に向けた道のりでこれほどの進展を達成した国は、いまだかつて存在しない」と述べた。
また同氏は、ウクライナは、戦場で勢いを増しながら、EU内での繁栄し安全な国家への道も築いていると指摘した。
同氏はその際、「私たちは、2023年12月に交渉が開始されて以降、ウクライナのEU加盟に向けた最大の一歩を踏み出している。そして今回は、もはや誰もコーヒーブレイクのために部屋を出る必要はないと言わせてほしい(編集注:2023年12月のEU首脳会議の際にはショルツ当時独首相がオルバーン当時ハンガリー首相にコーヒーブレイクを提案して、ウクライナのEU加盟交渉開始を可能にしていた)。私たちは今、ウクライナが過去数年で達成した改革の進展を公式に認めている」と伝えた。
同氏はさらに、ウクライナのEU加盟は「欧州の未来にとっての中心的な問題だ。なぜなら、自らの安全保障にしっかりと責任を負う欧州の構築は、強力で繁栄し、安定したウクライナの存在という条件があって初めて機能し得るからだ」と強調した。
そして同氏は、「私たちは何らかのサービスを施しているのではない。ウクライナが達成したものに基づいて取り組んでいる。本日の会議で加盟国は、私たちの連合の最も重要な分野である、独立した司法制度、透明性のある公的調達、汚職や組織犯罪に対する強化された保証における改革を推進するための一連の措置を提示した」と伝えた。
同氏はまた、自身の前回のキーウ訪問の際、全ての政党に対し、欧州統合という共通の目標のために団結するよう呼びかけたことを喚起した上で、「本日、私はその国民的結束の呼びかけをもう1度述べたい。繰り返すが、この努力は政権だけのものではない。全社会が団結し、ウクライナが高めているモメンタムを利用しなければならない」と訴えた。
同時に同氏は、第1クラスターの枠内での改革は、EU構造へのより深い統合への入り口でもあるとし、「それらの改革は、完全な加盟の前であっても、ウクライナが私たちの単一市場やその他の共通の欧州構造に統合することを可能にするための、信頼を構築する」と述べた。
そして同氏は、欧州委員会は現在、EU理事会が夏季休暇前に残りの5つの交渉クラスターの開始へと移行することを期待していると強調した。
これに先立ち、15日、ルクセンブルクにて、第2回ウクライナEU加盟会議が開催され、その後EU加盟国は6つの交渉クラスターの内、第1クラスター(「基本」)の開始を承認していた。
新規の国のEUへの加盟の際は、加盟候補国がEUの「コペンハーゲン基準」に示された種々の法的基準を満たす必要がある。よって加盟交渉は、加盟候補国の国内法をEU法に整合させる作業となる。EU法は章によって分かれており、これらの章は6つのクラスターに分類されている。第1クラスターは「基本(ファンダメンタルズ)」であり、司法改革や汚職対策も同クラスターで扱われる。