ゼレンシキー大統領、ウクライナ南部の住民に「ウクライナはあなたたちのことを忘れていない」

ゼレンシキー大統領が動画メッセージで発言した。

ゼレンシキー氏は、「この動画では、私は、ウクライナの町、その町の勇敢な人々に呼びかけたい。望ましい客だけでなく、戦車に乗った偶然やってきた『観光客』にすら太陽の照らす自由なウクライナ南部の人々にだ。ベルジャンシク、カホウカ、エネルホダル、メリトポリ、そしてもちろん、ヘルソンへだ」と発言した。

そして、同氏は、「ヘルソン。今日私は、奴隷（編集注：ロシア兵）が自由な人々に発砲するのを見た。彼らはプロパガンダの奴隷だ。そのプロパガンダは彼らの意識を変えている。その奴隷は、トラックに皆を詰め込むのに慣れている。真っ白な何も書かれていないプラカードを持ったおばあさんすら詰め込む。『平和』とだけ書かれたＡ４の紙一枚を持った女の子をすら詰め込む。ロシアが送ってきたその奴隷たちは、広場や通りにこれほどの自由な人々をこれまで見たことがなかっただろう。武器を手にした奴隷の前でも恐れを抱かない何千の人々というのは、見たことがなかっただろう。奴隷たちは、意志というものを、野生性や危険性だと受け止めている。彼らには恐れがある。そして、プロパガンダを拡散する人は、その恐れを嫌悪に変えることができる。それで、彼らは平和で自由な人々に発砲するのだ」と発言した。

さらに同氏は、「ヘルソンよ、踏ん張って欲しい！　私たちは、その映像を決して忘れない。あなた方の町の映像だ。あなた方のいる広場や通りで、私たちもあなた方と一緒にいた。４０００万の私たちのウクライナ人が一緒だ。何千万の世界中のウクライナ人が一緒だ。私たち皆が、どのようにあなた方が耐えているか見てきた。あなた方がどのような人なのかを見た。私たち皆が、あなた方がどれだけ自由を取り戻したがっているか感じた」と強調した。同氏は続けて、「そして、私たちがあなた方のところへ辿り着けるようになったら、平和なヘルソン人を青と黄の旗だけを根拠に発砲した占領者一人一人に黒き運命の連鎖が訪れる」と指摘した。

ゼレンシキー氏は、それは、エネルホダル、ベルジャンシク、メリトポリ、カホウカ、その他ロシア占領者が占領する全ての場所で、占領者は不幸な目に遭うだろうと指摘した。同氏は、「彼らは、抵抗を組織している人物とみなした人々を拘束している。しかし、私たちはロシアではない。覚えておくとよい。ここでは、抵抗は組織する必要がない。ウクライナ人にとって、抵抗とは魂の産物なのだ」と強調した。さらに同氏は、「私は、あなた方、南部の私たちのウクライナ人全員が、ウクライナがあなた方のことを忘れたなどと一瞬でも思うことがないことを望んでいる。あなた方に困難がある時、痛みがある時、あなた方が困難の中で抵抗を行なっている時はいつでも、私たちは、私たちの心にひびが入っていることを知っておいて欲しい。なぜなら、私たちはあなたたちと一緒にいられないからだ。他者の排除が実現できていない内は、私たちは神にあなた方を支えてくるよう頼んでいる。あなた方が抗議を行なっているのは、偉業だ。私たちのところにそのような人々がいることは幸せだ。私たち皆がウクライナであることが幸せだ」と強調した。

これに先立ち、２１日、ロシアの占領が続くウクライナ南部ヘルソン市では、２１日も市民による反ロシア集会が開催されたが、ロシア軍が武力を行使したことで、負傷者が発生していた。